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「冬はアップしたら終わり」神戸市の公立中学校“部活中止”教育委員会が明かした“反対派も納得”の現実
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.18 19:25 最終更新日:2024.12.18 19:25
12月16日、兵庫県の神戸市教育委員会は2026年8月末までに、公立中学校の部活動を終了すると発表した。同年9月以降は、部活を「KOBE◆KATSU(コベカツ)」と名付けた神戸市の地域活動プログラムに完全移行。2025年1月から運営団体の募集を始める。
平日を含めた全面移行は政令指定都市としては初の試みだという。
同日に記者会見した福本靖教育長はその理由について「少子化の影響でどんどん部活動の数が減ってきております」と、学校によって生徒の選択肢が限られている状況や部活動に対する価値観の変化を踏まえ、統一的な指導が難しくなっていると説明した。また、移行は運動部だけでなく文化部にも広げる意図があるという。
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神戸市のホームページでも、《少子化が進む中で、部活動の休部、廃部が相次ぎ、単独では試合に出られない学校も増えるなど、学校単位での活動の維持が難しくなっています》などと記されている。
この一報は大きな反響を呼んだ。社会部記者はこう話す。
「部活動という慣れ親しんだ形がなくなることに対して、SNSでは『残念』といった声が聞かれている一方、『先生の負担が大きすぎる』と公立校の教師が置かれた状況に理解を示す声もあります。賛否は分かれますが、部活の移行を時代の流れだと考える人は今後増えそうです」
ただ、神戸市教育委員会には抗議のような意見も寄せられたようだ。神戸市教育委員会の担当者はこう明かす。
「自分たちのときの部活動の話を持ち出して、『なんで部活動をやめるんや』といったご意見はあります。それを受けてホームページで、なぜ今部活動を終了して新しい形にしないといけないのかとか、昔の部活と違って今の部活はこんな状況ですといったことがわかるように発信しています。
直接お電話をいただいたりもするのですが、そのあたりの話をすると『今ってそうなんや』という反応が割と多いです。
昭和の部活のイメージが強い方はまだ多い印象で、今も同じように生徒は2〜3時間部活をやって、学校から帰って来てると思っていらっしゃる。でも実際は、平日は完全下校時間が17時ですから、16時から部活を始めても1時間に満たないような感じです。冬になると、運動部ならアップしたら終わりみたいなことになっています。
そんなことが子どもたちにとっていいのかと。では、違う形でやりましょうと。我々が経験してきたものとは違う形で今の子どもたちはやっていて、そのことをお話しすると『それやったら、ええんかな』と納得していただいています」
当初、反対意見を唱えていた人も、実情を知るとほとんどが考えを変えるという。そして、部活の移行は国も同じ方針だ。前出の社会部記者はこう話す。
「国は学校における働き方改革等を踏まえ、部活動を学校単位から地域単位の取り組みにしていく方向性を2019年に示しています。
また、2022年には『23年度から25年度までの3年間を改革推進期間とし、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指す』というガイドラインが発表されており神戸市の試みもそれに沿ったものです。
同じ兵庫県の姫路市教育委員会も公立中学校のすべての運動部と文化部を対象に、2026年9月から学校単位から地域活動へ移行することを決めています」
放課後の「思い出」も時代とともに変わっていくようだ。
( SmartFLASH )
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