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1日当たり48件発生「侵入窃盗」年末年始、強盗から身を守るための“魔の8分”の稼ぎ方を専門家に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.19 18:48 最終更新日:2024.12.19 20:34
「闇バイト」による凶悪犯罪が多発した2024年だったが、なかでも世間を震撼させたのが、「侵入窃盗」といわれる強盗だ。
「金融取引や投資履歴などをもとに作成された『闇名簿』から、ターゲットの高齢者宅を選び出し、闇バイトで集められた人物たちが押し込みます。
住民の手足を縛り、暴力を振るってカネや貴金属の保管場所を聞き出しますが、その際に被害者が命を失ってしまうこともありました。
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2023年1月には、東京都狛江市の住宅で90歳の女性が闇バイトの連中に拷問を受け、死亡するという痛ましい事件が起きています」(事件担当記者)
侵入窃盗の認知件数は増加傾向だ。警察庁の「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、2023年は4万4228件で、前年比20.9%の増加となっている。件数にして、7640件増となる。このうち、住宅対象の侵入窃盗は1万7469件。前年比11.3%の増加だ。1日当たり約48件の住宅が、侵入窃盗の被害にあっている計算になる。
なんとか被害を未然に防げないものか。防犯アドバイザーの京師美佳さんに聞いた。
「警察は、通報から平均8分で現場にかけつけます。その8分を稼ぐため、100円ショップで売っているものでいいので、補助錠を取りつけてください。強盗が窓などを開けるのに時間がかかります。
また、窓ガラスを割って侵入してくることも多いので、防犯フィルム(350ミクロン以上)を貼ると、より時間を稼げます」
通報から現着までの“魔の8分”を稼ぐ防犯のカギは、文字どおり「鍵」にあるようだ。では、万が一、侵入されてしまったときのために、準備できることはないのだろうか。
闇バイトの犯行は深夜が多い。都内在住の70歳の男性は「枕元に木刀を置いています。知り合いは傘を置いているそうです」というが……。元警察官は、あくまで私見として「素人さんの木刀はほとんど役に立ちません」と首を振り、その理由をこう語った。
「まず、寝ているところに強盗が入ってきたら、気が動転して木刀を持つどころではありません。かりに木刀が持てても、狭い寝室で振りかざしたら、壁や天井に当たり、かえって身動きが取れなくなります。あえていうなら、『突き』です。これで犯人の体の中心を狙ってください。犯人が左右に動いても対応できますし、木刀を握られても、すぐに引き抜いて2度、3度と攻めることができます。傘では、すぐにへし折れてしまいます」
ちなみに、日本バレーボール協会会長の川合俊一氏は、2023年9月13日放送の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)に出演した際「家にいるときは、どこで暴漢にあっても戦えるように、そこらじゅうに武器を置いてある」と語っていた。川合氏のこだわりようはすさまじく、手錠、足錠、三段警棒、盾など、数十種類の防犯グッズを用意しているというのだ。では、プロの見解はどうだろうか。京師さんはこう語る。
「手元に置いておくとよいものとしては、100デシベル以上の音量の防犯ブザー。枕元にも置いておくといいでしょう。相手への威嚇や近隣に知らせる効果があります。万が一、自宅に侵入されたら、まずは警察に通報して、鍵のかかるトイレや寝室に逃げることです」
用心に用心を重ねることが大切だ。
( SmartFLASH )