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兵庫・斎藤知事、東京でも“針のむしろ”で議員会館を速歩き…疑惑を直撃した立憲議員は「まともに答えませんでした」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.20 06:00 最終更新日:2024.12.20 06:00

兵庫・斎藤知事、東京でも“針のむしろ”で議員会館を速歩き…疑惑を直撃した立憲議員は「まともに答えませんでした」

兵庫県知事再選が決まった、斎藤元彦氏(写真・馬詰雅浩)

 

「12月16日、議員会館を結ぶ地下道を、ものすごい速歩きで歩く人がいて。よく見たら“あの知事”だったんです。東京になんでいるんだ、と驚きました」

 

 そう語るのは政治担当記者だ。“あの知事”とは、メディアで見ない日はないほど日本中で注目を浴びている、斎藤元彦兵庫県知事だ。

 

 11月におこなわれた兵庫県知事選をめぐり、斎藤知事がPR会社に対し報酬として計71万円を支払ったことが、公職選挙法に違反するとして刑事告発された問題。兵庫県警と神戸地検は、12月16日付でこの告発を受理したが、当の本人は当日、出張していたことになる。大手紙の兵庫県担当記者が明かす。

 

 

「受理されたのは、県内のPR会社に支払った報酬の71万円についてです。斎藤知事は、会見などでPR会社社長の折田楓氏について『ボランティアという認識だった』『報酬はポスターの制作費だった』と説明しています。しかし一方、折田氏は自身のSNSアカウントで、『斎藤氏の広報全般を任せていただくことになりました』と投稿していました。公選法では、選挙運動員に金銭や物品を提供することや、選挙運動員がそれらを受け取ることを禁じています。実際にPR会社社長が“広報全般”を担当していたとすれば、選挙運動員に当たるので、違反となるでしょう。捜査当局が斎藤知事とPR会社社長に事情を聴き、立件の可否を検討することになります」

 

 斎藤知事の選挙については、さらに別の問題も浮上している。“二馬力問題”と称される、NHKから国民を守る党の立花孝志氏による“勝手応援”だ。

 

「立花さんは立候補しておきながら、選挙期間中は『僕に(票を)入れないで』と言い切り、街頭演説では『あれは内部告発ではない』、『メディアは真相を隠している』、などと、斎藤知事に有利になるような主張を繰り返し、おこないました。さらに県幹部職員が保管していた個人的な文書の内容も、一部暴露しました。こうした一連の行為が、“良識”を頼りに設計された現状の選挙制度を揺るがすものであるとして、批判の声が集まっています。さらにいえば、こうした立花氏の行為を“黙認”していたのではないかと、斎藤知事に疑問を呈する声もあります」(同前)

 

 斎藤知事をめぐり、いまだにくすぶる多くの“火種”。今回の出張は、県が進めるカーボンニュートラル政策の一環で、自民党との勉強会のためだったというが、その後に開かれた意見交換会でも“疑惑”が追及されたという。会に出席した立憲民主党の岡田悟議員がこう明かす。

 

「慣例として、県内選出の国会議員と知事が、国の来年度予算案について意見交換をする会があるんです。しかし、県の東京事務所の職員の方から、今回、県側は国に対して具体的な要望がないということでした。なので、逆に党県連代表の井坂信彦議員から、訪問介護の報酬引き下げによって発生する問題について、連携していこうという提案をしたくらいでしたね。

 

 時間も余ったので、斎藤知事には立花氏との関係や、告発した県幹部職員の個人情報が漏洩した疑惑への対処について、質問しました。しかし斎藤知事は、『自分の選挙で一生懸命だった』と繰り返すだけで、立花氏を知っていたのか否かの質問にすら、まともに答えませんでした。イエスかノーで済むことなんですが……」

 

 東京に出てきても“針のむしろ”状態の斎藤知事。県職員との関係も改善していないという。

 

「国会議員に対し、具体的な要望が出せないことでも明らかなように、職員との溝はまったく埋まっていませんよ。じつは、現時点で7月末に辞任した片山安孝副知事の後任人事も、まったく目途が立っていないのです。職員からの登用は難しいでしょうし、外部登用をしようにも、そもそも斎藤知事がこの先、辞任や失職する可能性もあり、なかなか引き受け手がいない状況です。まさに県政は時がとまったままなんです。

 

 県議会の百条委員会と県の第三者委員会の調査が、いまも続いています。刑事告発の件も合わせて、3月までにはすべてはっきりするでしょうね。もうしばらくの辛抱です」(地元紙記者)

 

 再び選挙となったら、県民はゲンナリだろう。

( SmartFLASH )

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