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中国人向けビザ緩和に異論噴出…オーバーツーリズムに“もうけ薄”の親中政策、“犯人”は森山裕幹事長

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記事投稿日:2025.01.23 20:55 最終更新日:2025.01.23 20:55
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
中国人向けビザ緩和に異論噴出…オーバーツーリズムに“もうけ薄”の親中政策、“犯人”は森山裕幹事長

中国の王毅外相と会談する岩屋毅外相(写真・時事通信)

 

「なぜ、イナゴを呼び寄せるようなことをするのか。喰いつくされるだけです」

 

 と、ため息をつくのは、高校卒業後に来日し、現在商社に勤務する中国人のA氏だ。

 

 

 1月21日、岩屋毅外相が昨年に訪問先の北京で表明した中国人向けのビザ発給に関する緩和策について、自民党の合同会議で異論が噴出した。

 

「今回の緩和策の目玉は2つです。ひとつめは、中国からの団体観光客の滞在可能日数を拡大し、15日から30日にするというもの。一部の人気観光地だけに訪問が集中するのを避ける狙いがあります。ふたつめは、3年と5年という2種類の期限しかなかった観光ビザについて、富裕層向けに10年間有効な観光ビザを新設するというものです。

 

 しかし、同会議では、『オーバーツーリズムなどの問題も出てきている。拙速にやる問題ではない』など、否定的な意見が続出。自民党内では親中派とされる福田達夫幹事長代理までが、『政府は丁寧な説明をするべきだ』と注文をつける事態に発展しました」(政治部記者)

 

 2016年の安倍政権では、2030年までに訪日観光客数を6000万人に増加させる目標を掲げた。日本政府観光局の発表によると、2024年の年間訪日観光客の推計総数は3600万人を超え、過去最高を記録している。そのうち、約700万人が中国からの入国者で、2023年と比べると187%とまさに激増しているのだ。“観光立国”へ向けて着々と進む日本だが、冒頭のA氏は首をかしげる。

 

「ビザを緩和すれば訪日客は増えると思います。ただ、それが本当にいいことなのか、よく考えたほうがいいですよ。昨年の訪日観光客の消費額は8兆円を超えたそうですが、逆に言えば“たったそれだけ”。不動産投資や企業への出資など大型投資がないとそこまで日本にとってうまみはないはずです」

 

 かくいうA氏も、7年前に永住権を取得。日本の金融機関から住宅ローンを借りて埼玉県に一戸建ての住宅を所有している。3年前に日本の宅地建物取引主任の資格を取得し、中国籍の妻を代表に不動産会社を設立。中国人顧客を専門とする不動産取引の仲介を副業としている。

 

「中国資本による日本の不動産の“爆買い”は落ち着きつつあります。この数年で人気だったのが豊洲などの新築タワマン。豊洲のタワマンの2割程度がすでに中国系の所有です。留学中の子弟を住まわせるための富裕層や、日本の大手企業に勤務する給与所得者が多いです。こういう投資は、金額も大きいし、日本経済にとってもプラスでしょう」(A氏)

 

 しかし今、中国人富裕層は“為替リスク”を警戒するようになった。

 

「中国の人民元に対して円が安すぎるんですよ。これまでは日本の不動産を買って転売すればすぐに利益を出すことができました。為替が安定していれば、そのまま人民元でも利益になる。ところが、どんどん円安に向かうので、日本国内で利益を出せたとしても、為替で吹き飛んでしまうんです。

 

 こうした状況下で日本に投資をするリスクがかなり高まってしまいました。現在、1元あたり約21円程度ですが、30円ぐらいまで安くなる可能性があると、多くの人が考えています。逆に言えば、とにかく円が安いので観光で遊ぶだけなら、日本は“お得な国”なんです。ただ、オーバーツーリズム問題でよく指摘される通り、ただ遊びにくるだけの中国人観光客は摩擦を起こしやすい。それでいて、彼らから日本が得られる利益は少ない。ビザ緩和は決していい手ではありませんよ」(A氏)

 

 ではなぜ、“大不評”のビザ緩和が進められているのか。

 

「“犯人”は森山裕幹事長ですね。引退した二階俊博元幹事長に代わり、日中友好議員連盟の会長に就任したのが森山幹事長ですから。二階元幹事長の前の会長は、林芳正官房長官が務めていました。彼らは中国、特に習近平政権に対する親和的な姿勢を維持してきました。

 

 今回のビザ緩和策は、中国の金融緩和、規制緩和に呼応しています。2カ国だけの問題ならまだしも、対中強硬姿勢を取るとされる米トランプ政権から、日本は“中国寄り”と見られるのではないかという懸念も出てきています」(政治部記者)

 

 観光客という目先のカネに釣られるとは、なんとも情けない……。

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