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【八潮市陥没事故】県検討委員会専門家の「復旧まで3年」発言に周辺住民は驚愕…トラック運転手の救出は「断念」
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1月28日に陥没した道路。同日昼にはトラックとともに転落したドライバーの救出作業が始まっていた(写真・梅基展央)
1月28日に埼玉県八潮市の県道で発生した、下水道管の破損が原因と見られる陥没事故は発生から2週間になる。
陥没場所に落ちたトラック運転手の救出が難航するなか、地元消防は2月9日、「陥没穴での捜索活動断念」を発表。事態は転機を迎えている。
「下水道管は直径約5メートルです。陥没場所から100~200メートルほど下流でトラックの運転席部分が見つかっていますが、運転手の姿は確認できていません。本来ならワイヤーなどで運転席を引き寄せるのですが、ほとんど砂とも思える脆弱地盤のため重機の安定が期待できません。また硫化水素の発生も止まらず、救助隊の安全確保が難しいことから『断念』に至ったということです」(社会部記者)
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さらに、救助隊を悩ませているのが『あふれる下水』だ。この下水道管は近隣12市町120万人の生活排水、工場排水が集約される大規模な下水道管のため流れる水量も多く、陥没穴の壁面土砂を崩してしまい、設置したスロープを崩してしまう恐れすらあるという。
「下水の流入量を減らすことが急務ですが、2月4日に埼玉県の大野元裕知事が12市町の住民に、午後2時から午後5時まで排水量を減らすように求めたところ明らかな効果は認められませんでした。そのため現在は簡易パイプでバイパスを作り下水道菅への流入を減らしていますが、救助関係者からは『断水をお願いして、排水を完全に遮断するしかない』といった声すら聞こえてきます」(前出・社会部記者)
こうしたなか、埼玉県が設置した「復旧工法検討委員会」の森田弘昭委員長(日本大学教授・下水道工学)が、破損した下水道管について「工法次第では『本格的な復旧まで急いでも3年程度かかるだろう』との見解を示した」と共同通信社が報じたことで、住民の不安が高まっている。
「日常的に節水は心がけています。隣の草加市では入浴施設やスポーツクラブで客や会員に連日、『節水の呼びかけ』をしています。八潮市内でも飲食店が食器をまとめ洗いするなどしていますが、それが3年も続くと思うと……。本管が復旧するまでは別の場所に仮の下水道管を作るのでしょうが、大型のものをどこに作るのか? 住民にとっては不安しかありません」(八潮市住民)
次々と降り掛かる難題が救助と復旧を阻んでいる。