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ホリエモンも思わず「税金の無駄遣い」品川区長「学校給食オーガニック化」に批判集中、矛先は国民民主党にも
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野菜嫌いで知られる実業家・堀江貴文氏
品川区の森澤恭子区長が2月5日、区立の小中学校の給食の野菜をすべて「オーガニック」にする方針を明らかにした。対象は区立の小中学校など46校で、2025年10月から導入の予定。オーガニック化によって、給食のコストは1食あたり12円の増額となり、区ではその費用として約2800万円の予算案を計上する。
森澤区長は会見で「タウンミーティングで、給食の質を上げてほしい、おいしくしてほしいという意見があった。質の向上という意味で、有機野菜を採用していきたい。その結果、児童の健康に寄与すると考えている」と、導入の理由を説明した。
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オーガニック野菜、つまり有機農産物とは、化学肥料や農薬を原則、使用せず、可能な限り環境に配慮した栽培方法で作られた農産物のことだが、このオーガニック化には、多くの疑問の声があがっている。実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏は、Xで
《クソだな。税金の無駄遣い。品川区民は怒ったほうがいいよ》
《笑。オーガニックだから身体にいいとか思ってるのは脳内お花畑だな》
と猛批判。ほかにもXには
《農業に関わる人間だから言うけども、オーガニック・有機農法だから味が良くなるってのは幻想です》
《ま、色んな人がいるしオーガニック好きな人はどうぞご自由に。でも給食にオーガニックを!って区長が言ったらアカンよ。思想の押し付け。さらに「安全」とか「体に良い」とか科学的なエビデンスのないことが根拠なら「お花畑」っていわれてもしゃあない》
など、否定的な意見が見られた。また
《八百屋さんで学校に野菜卸している立場ですが オーガニックなんて給食に使ったら調理師の先生は本当に大変だと思います どんな綺麗な野菜でも小さな虫が入るだけで対策に時間を取られるのにオーガニックになるとそのリスクが倍増するわけで...オーガニックだから安全ってわけでもないのです》
という、現実的な意見も。
そんななかで注目を集めているのが、国民民主党だ。2024年10月におこなわれた衆院総選挙で、国民民主党が特設サイトで示した、党が目指す政策のなかには「学校給食のオーガニック化・国産化・食育活動の推進」という項目があった。そこでは
《学校給食のオーガニック化・国産化を進めます。学校給食について、農産物、水産物ともに地産地消を進めるとともに、有機農産物の利用を推進します。遺伝子組み換え食品も学校給食では使いません。栄養教諭の配置など食育活動の推進を図ります》
と明記されているのだ。SNSでは、国民民主党にも批判的な意見が多くあがり、2月8日には玉木雄一郎氏がYouTubeのライブ配信で、この件について説明する事態となった。
玉木氏は「農水省の『緑の食糧システム戦略』に、化学肥料の使用量低減などがあり、有機農業は国の方針。だが、需要がないと広がらないので、一部給食をオーガニックにしてはどうか、という提案だ。一部の政党のような、オーガニック万能主義ではない」と弁解している。
オーガニック給食は広がりつつあり、農林水産省の調査によると、2022年度時点で193の市町村が、学校給食に取り入れているという。ただ、オーガニックについての論争は以前から絶えず、推進派の過度な“自然信仰”により、非科学的な情報が発信されることに批判も多い。幅広い議論が必要だろう。