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通天閣火災から1カ月…「延焼で閉店」近隣着物店が、“火元”ゲーセン店長に激怒!「いまだに謝罪もなし」近隣店舗からも「腹立っとるんや!」の商店街トラブル

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記事投稿日:2025.02.16 18:25 最終更新日:2025.02.16 20:39
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
通天閣火災から1カ月…「延焼で閉店」近隣着物店が、“火元”ゲーセン店長に激怒!「いまだに謝罪もなし」近隣店舗からも「腹立っとるんや!」の商店街トラブル

火災当日は、通天閣の目の前で大きな煙が上がっていた

 

 大阪のシンボルを前に、大きな火の手が――。

 

 1月21日午後5時頃、国内外の多くの観光客で賑わう通天閣(大阪・浪速区)から100mほど離れた商店街で火災が発生。消防車など42台と消防ヘリが消火にあたり、およそ2時間後に鎮火した。

 

「この火事で5階建てのビルと木造2階建ての建物の一部、あわせておよそ500平方メートルが焼け、通天閣の展望台にいた観光客も避難しました。

 

 

 火元はビルにある『ゲームセンター ザリガニ』と見られています。このゲームセンターは昭和レトロの懐かしいゲームが多く、外国からの観光客にも人気があったそうです。

 

 店員がいないときもあるようですが、出火時は30代の従業員が1人いて、軽い怪我をして病院に搬送されました。客はいませんでした」(事件担当記者)

 

 レトロゲームに詳しい、ゲーム歴史家の前田尋之さんは、この店についてこう話す。

 

「私自身何度か行ったことがありますし、火災については、“貴重な文化遺産”が失われたという気持ちで、非常に残念でした。

 

 こちらに置かれていた貴重な台というと、特には『アフターバーナーII』(セガ)ですかね。前後左右に動く、いわゆる体感型の筐体(きょうたい)なんですよ。あとはタイトーの『ナイトストライカー』。3D視点の大型タイプのシューティングゲームで、日本の現存数が極めて少ない機械です。『ゴルゴ13』(ナムコ)の台は、本当にそのものずばりで、あのゴルゴのライフルスコープを覗きながら撃つわけです。こうした、本物が持つ“重み”がある台を、皆さん体験しに来るんですよ。

 

 設置された台すべてが稼働できなくなったなら、被害額は数千万円に上るでしょうね。消失した中には、もう手に入らない台もおそらくあったのではないかと思います」

 

 目撃者からは「爆発音を聞いた」という情報もあり、火勢は強かったようだ。被害の状況から、ビルと木造の建物は取り壊しになる可能性が高いと見られている。

 

 この惨事から1カ月近く経った今、通天閣の火災現場を訪れた本誌。そこで聞こえてきたのは、いまだにくすぶる“怒りの炎”だった――。

 

「火事って、こんなに怖いのかとつくづく思いました」

 

 こうしみじみと話のは、ゲームセンターの隣で着物店を営んでいた女性だ。女性は、火事被害の恐ろしさと、火元と見られるゲームセンターオーナーへの憤懣を語った。

 

「22坪の店でした。観光客向けに1階で着物のレンタル営業や販売、2階を倉庫、写真スタジオ、事務所、キッチンとバスルームもあったので住居にもしていました。

 

 火災で天井は落ちて、1000着の着物や会社の書類、思い出の品々が全て水浸しになり、ダメになりました。被害額は、着物類で1000万円、リノベーションした費用が1000万円。いろいろ含めて3000万円くらいでしょうか。

 

 自分の持ち物が燃えるのは寂しいですね。実は私個人では火災保険に入っていなかったんです。そのため大家さんに伺ったら、大家さんも加入していなかったそうです。燃えた着物や家財道具の処分費用の捻出も大変です」

 

 こう肩を落とした女性。そして怒りをあらわにしたのが、ゲームセンターオーナーの対応だ。

 

「火災発生後、ゲームセンターのオーナーは一度も謝罪に来ていません。謝罪もないから雲隠れです。これだけ周囲に迷惑をかけたのに『我々も被害者なんだ』と言っているそうです。

 

 商店街のアーケードだって焼けてしまったんですよ。冗談じゃないです。ゲームセンターは無人で営業することも多かったようですから、なんとも無責任ですよね」

 

 なんと、延焼が原因で閉店を余儀なくされたにもかかわらず、ゲームセンターのオーナーは謝罪にも来なかったというのだ。こうした店は、前述の女性だけではない。別の近隣店舗の店員もこう話す。

 

「うちには直接的な被害はありませんでしたが、それでも当然あの大火事は営業に差し障りましたよ。それでも謝罪もない。正直、腹立っとるんや。

 

 あの店は、基本的に無人営業なんですが、ゲーム機に100円玉などを入れないと遊ばれへん。にもかかわらずスタッフもおらんし両替機がない時期とかもあったから、仕方なく近隣の店舗が両替をやってあげていたこともあったんや。そうした“迷惑”は、火事の前からやったなあ。

 

 今回の火事も、店員がいればここまで大きくなることはなかったんじゃないかと……」

 

 そしてこの店員は、ゲームセンターオーナーのこんな不義理を吐露した。

 

「うちらには謝罪にも来おへんのに、100m以上離れた通天閣の社長には謝りに行ったんや。順序がおかしいやろ」

 

 本誌が通天閣に「レトロゲーセン ザリガニ」の店長が謝罪に来たかと問うと、「確かに社長に謝罪に来ました」というのだ。本誌はオーナーの携帯電話を鳴らし、留守番電話に事実関係を確認すべくメッセージを残したが、締め切りまでに折り返し連絡はなかった。

 

 火災当時は、貴重なゲーム機を多数所有する老舗店を襲った悲劇としてSNS上で同情の声も数多く寄せられたが、実態を知る通天閣の人々からすれば、印象はがらりと変わるようだ。

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