社会・政治
「赤いきつね」アニメCMの“性的論争”飛び火した料理研究家も誹謗中傷を報告“気持ち”表現のやり取りゆえの議論“泥沼化”
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リュウジ
《いや、めちゃくちゃ脅迫とか来てますよ クソジジイ○ねとか テメーのゲ○みたいな料理食えるかとかの暴言も今まで10000件は越えるんじゃないですかね》
2月18日、自身のX上での誹謗中傷の実態を明かしたのは、料理研究家のリュウジだ。ことの発端は、あるCMに言及したことだった。
「カップ麺の『赤いきつね』と『緑のたぬき』でおなじみの東洋水産が、2月6日に公式SNSで公開したアニメCMです。34秒間の動画では、ショートカットの若い女性が、頬を赤らめながら自室で赤いきつねを食べており、『ふぅ』と呟きながら、その目には涙が浮かぶというもの。
一見、何の問題もないようにも見えますが、公開から数日が経過したころ、X上で一部ユーザーから《性的に見える》という批判の声が出たのです。果たして、同CMが性的に見えるのかどうか、問題ないとするユーザーもう登場し激論に発展しました。
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こうした事態に対し、リュウジさんは《炎上覚悟で言わせて貰うと》とした上で、
《一昔前のグルメ漫画で育ったから頬を染めて食うのはデフォルトだし全く性的に見えない なんならいつ服が破れて口からビームが出るのかと思った》
と持論を展開しました。本人が覚悟したとおり、同ポストは約2万件リポストされ多くの注目を集めると、リュウジさんは《折角炎上したので》と赤いきつねのアレンジ方法を掲載。それに対しても、《炎上商法だ》と飛び火することになりました」(芸能記者)
この騒動に、発売元の東洋水産は沈黙を貫いているが、リュウジへの風当たりは強いまま。冒頭のツイートは、こうしたエスカレートした状況を報告したというわけだ。
過去にも、多くのアニメ表現を用いた広告が“性的論争”の題材にされてきた。
「いまではアニメ表現を用いたCMは、一般的なものとなりました。とくにカップ麺は、若い世代と親和性の高い商品なので、あえてアニメ表現をおこなったのでしょう。
しかし近年、SNSが発達したことにより、これまで直接、広告を目にすることがなかった人も巻き込んで、広告表現の賛否が議論されるようになりました。なかでもアニメ表現を用いた広告は『性的である』という批判が起きやすい印象があります。たとえば、マンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』のキャラクター・宇崎ちゃんを起用した日本赤十字社のポスターや、JR大阪駅に掲示された対戦型麻雀ゲーム『雀魂-じゃんたま-』とテレビアニメ『咲-Saki-全国編』とのコラボ・ポスターなど、“性的論争”の例は枚挙にいとまがありません」(社会部記者)
だが、とくに今回は論争の的になりやすい要素が多かったという。
「動画のCMであり、なおかつ元になるキャラクターがいるわけではありません。キャラクターの体型や露出の多さではなく、食べ方という“動き”を性的だとして問題視する人たちがいたのです。
文字数の限られたSNSでは、1コマずつ指摘するわけにもいかず、動画全体に『性的だと感じた』という“気持ち”の表現にしかなりません。一方、問題がないとする側も“問題ないと感じた”としか反論のしようがないものです。
あくまで互いに“気持ち”しか表現できないために、ぶつかり合い、相手に対する誹謗中傷をおこなうしかなくなってしまうのです。まさに泥沼という状況です。どんな表現であれ、あらゆる人が100%、不快感を持たないCMを制作することはできません」(広告代理店関係者)
感情的な論争だからこそ、互いに落ち着いた対応が求められる。