社会・政治
コメ高騰が続くなか「メルカリ」では高値で転売中、過去には「お米を販売しよう」煽りページも…広報の見解は?
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政府の備蓄米について記者会見する江藤拓農相(写真・共同通信)
農水省は2月25日、コメの価格に関する最新の調査結果を発表した。2月10〜16日の全国のスーパーにおけるコメ5キロの販売価格(税込)は3892円で、前の週から63円の値上がり。2044円だった1年前の同期より1848円=90.4%の値上がりとなっている。
政府は2月14日に、21万トンの備蓄米を放出すると発表。今後、コメの値段が下がるとの予測もあるが、先行きは不透明なままだ。
2024年夏に、突如始まった「令和のコメ騒動」。その原因のひとつとされているのが “転売” だ。価格高騰を見込み、これまでコメの流通に携わってこなかった業者が参入、コメを抱え込んで価格上昇に拍車をかけたともいわれる。
そんななか、注目を集めているのがフリーマーケットサービスの「メルカリ」だ。メルカリで「米」と検索すると、多くの出品があることが確認できる。これが、いわゆる “転売ヤー” の温床となり、コメの価格上昇の一因になっているのではないかという、批判的な意見がSNSで多数みられる。
また、多くの人が問題視しているのが、メルカリ利用のノウハウを説明したサイト「mercari column」で掲載された「メルカリでおコメを販売しよう!売り方や発送方法などを詳しく解説」という記事だ。
【関連記事:「農水省が諸悪の根源」コメ高騰の真犯人“減反政策で需要ギリギリ”“スーパーに卸すより外食産業”関係者が明かす実態】
内容は《不要品を売りたいときに便利なメルカリ。実はお米の販売もできるのを知っていますか?》《メルカリでお米を売る際にかかる費用は、販売手数料と送料のみです》などと、簡単に米の販売ができることをPRするもの。2022年から2024年まで掲載されていたとみられるが、現在は当該ページは閲覧できなくなっている。
こうした批判的な意見があることについて、またコメの販売をPRするページを非公開とした理由について、本誌はメルカリの見解を聞いた。
まずは、PRページの削除について。
「メルカリColumnで公開している当該記事については、リンク先のページが削除されていることが見つかり一時的に非公開としております。
他方、メルカリでは、昨今の米の流通状況を踏まえて米を販売または購入する際に冷静なご対応をお願いする注意喚起を新たに実施しております。
そのため、少なくとも注意喚起を実施している間は記事の公開を見送る判断をしています」
つまり、非公開としたのは内容そのものに問題があったわけではないが、現在の状況を鑑みて非公開としているーーということだ。
そして米の販売については、販売・購入の際に注意喚起をおこなっているという。
「現状、米の出品数及び出品者数については例年と変わらない状況となっておりますが、今後も利用状況に応じて対応等を検討してまいります」
現在、メルカリで「米」と検索すると、「米の流通状況に関して、政府・行政機関の発表をご確認いただき、販売や購入においては冷静なご対応をお願いいたします」という注意喚起が表示され、農林水産省の「令和6年度 米の流通状況等について」というサイトにリンクされる仕組みになっている。
“転売” で記憶に新しいのが、コロナ禍の初期におきたマスクの高額転売だ。あのような事態にならないよう、冷静な対応が求められる。