社会・政治
石破首相、「裏金議員の参院選非公認」発言も即修正…結局は大半が公認か

2025年3月3日、衆院予算委員会での発言が物議を醸している石破茂首相(写真・長谷川 新)
くすぶり続ける自民党派閥の“裏金事件”は、今夏の参院選でも争点となりそうだ――。
3月3日の衆院予算委員会。裏金議員の今夏の参院選での公認について質問に立ったのは立憲民主党・黒岩宇洋衆院議員だ。
「黒岩議員が、『裏金事件に関与した議員を参院選で非公認とするべき』と主張すると、石破首相は『そのように取り組んでまいりたい』と答弁しました。基準を設けず、原則非公認にするとも取れるような発言に、黒岩議員も『総理の答弁、驚くというか、ありがたかった』と期待の弁を述べたほどでした。
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しかし、石破首相はすぐに『公認は我が党で判断する』と前言を翻したのです。また、日本維新の会の三木圭恵議員が、旧安倍派幹部の参考人招致を求めると、首相は『真相解明に後ろ向きであると国民に判断されることは、わが党のためにも日本の政治のためにもならない』といいつつも、ここでも『党と相談する』と答弁したのです。今、裏金問題に真剣に取り組むようなことを言いながら、すぐに軌道修正する石破首相への非難が広がっています」(政治担当記者)
その後、石破首相は、参院選での公認について「(前回の衆院選の時と)基本的に同じ考え方が踏襲される」と答えた。2024年10月におこなわれた衆院選では、(1)政治倫理審査会で弁明に応じた、(2)『党員資格停止』以上の重い処分を受けた、(3)地元の理解が進んでいない――これらの場合に非公認とする基準を掲げていた。
「昨秋の衆院選では、党員資格停止処分を受けた下村博文氏、西村康稔氏、髙木毅氏のほか、役職停止中の萩生田光一氏、三ツ林裕己氏、平沢勝栄氏など12人が『非公認』の対象となりました。また、公認はされたものの、比例代表への重複立候補が認められなかった議員も34人いました。非公認となった各氏のうち、勝ち残ったのは萩生田氏、西村氏、平沢氏などで、高木氏、下村氏らは落選しています。
裏金問題が自民党大敗の原因のひとつと言われていますが、ダメ押しとなったのが、選挙戦終盤で明らかになった“2000万円問題”です。非公認候補が代表を務める党支部に活動費など2000万円が支給されていました。石破首相は当時、『非公認の候補に出しているのではなく、選挙に使うことは全くない』と釈明しましたが、非公認候補からも『ありがた迷惑』『開いた口がふさがらない』といった不満が漏れていました。このような“言い訳癖”も、石破首相の軌道修正の一例かもしれません。今回の参院選でも同じ基準を踏襲する意向のようですが、参院では『党員資格停止』以上の処分を受けた現職議員はいませんし、旧安倍派議員の政倫審での弁明も、もうすぐ終わる見通しですから、結局、大半が公認されるとの見方が強いですね。これでは、裏金問題解明への“本気度”が疑われてしまいます」(同前)
Xでは、こんな声も上がっている。
《石破茂は衆院選の責任を取ってない! その時点で責任感がないということ! そういう輩を国のトップにしてる政治と国民にも問題ある 参院選で自民党を叩き潰したい》
あの大惨敗が参院選でも繰り返されるのか――。