
3月10日、「総理大臣にする会」の会場から出てきた玉木雄一郎氏(写真・長谷川 新)
3月12日、国民民主党は、パワハラ被害を訴える議員の離党が相次いでいる千葉県連について、倫理委員会とハラスメント対策委員会の合同委員会を設置して内部調査をすることを両院議員総会で決めた。
総会後、両院議員会長の船山康江参院議員は、「党本部として看過できない。県連単独の問題ではなく、全国に波及し、党本部にも問い合わせが相次いでいる。客観的に状況を把握したい」とした。
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「国民民主党の千葉県連では、昨年夏に浦安市の工藤由紀子市議が離党。今年3月には榎本怜県議、石崎英幸市議、都築真理市議の3人が離党届を提出しています。
県連所属の地方議員は昨夏から12人から8人まで減りました。特に深刻なのは工藤市議で、岡野純子衆院議員と県連幹事長の天野行雄県議ほか、支援団体からのパワハラによる『適応障害』を発症したとして、診断書を提出して離党しています」(政治担当記者)
玉木雄一郎代表も、「経緯の事実確認をしたい」と話しているというが、そもそもは工藤市議と岡野衆院議員の対立に原因があるという。
「岡野さんと工藤さんはもともと、ママ友なんですよ。といっても親分ママが岡野議員で、舎弟ママが工藤市議という関係性。岡野さんは元NHKの契約キャスターで、結婚を機に浦安市に移住。2011年の市議選で初当選をしています。その後、2017年3月に市長選、10月に希望の党から衆院選に立候補していずれも落選。2019年に市議に復帰しました。2023年には自民党の薗浦健太郎元衆院議員が政治資金の不記載事件が発覚して辞任。その補欠選挙に岡野さんが国民民主党から立候補することになり、岡野さんの事実上の後継市議になったのが工藤さんでした。
それまで政治活動がなかった工藤さんは、岡野さんに熱心にすすめられたことで立候補を決意したようです。専業主婦だった工藤さんは、政治に関しまったくの素人。2023年の市議選中も、岡野さんは工藤さんをほとんどサポートせず、ほったらかしにしたようです。たまに街宣に現れては、かなり厳しいダメ出しをする姿が目撃されています。他のママ友たちのサポートもあって工藤市議は当選しましたが、そもそも議員になることをすすめたのは岡野さん。工藤市議に同情する声が出ていました。一方、岡野さんは補選で落選しました」(千葉県連関係者)
その後、岡野氏が2024年の総選挙で国政に再挑戦することになり、選対事務局長に工藤市議が就いた。
「工藤さんは選対を取り仕切る立場になったものの慣れない市議活動との両立が難しく、不手際を責められる場面もあったようです。岡野さんと県連幹事長の天野県議などに度々叱責され、相当なストレスをためていたとのことです。離党したほかの3人は、こうした工藤さんの姿を間近で見ているので、県連の対応に抗議。その結果、離党に追い込まれたとされています。
天野県議は地方議員ですが、国民民主党最大の支持団体である電機連合の組織内議員で県連の実力者であり“裏ボス”。玉木代表がこの問題を1年近くも棚ざらしにしたのは、この天野県議への遠慮ともされています。事態が大きくなれば、玉木代表の責任問題にもつながる可能性がありますね」(同前)
どこまで公平な調査ができるのか……。