社会・政治
宮沢税調会長の次男、公認候補から落選…許されぬ大世襲、「103万円の壁」潰した “ラスボス” 批判も一因か

自民党の宮沢洋一税調会長(写真・共同通信)
3月17日、自民党広島県連は、次期衆院選で「広島5区」の公認候補予定者となる支部長に、弁護士の今井健仁氏を選んだ。そのため、自民党税調会長の宮沢洋一参院議員(広島選挙区)の次男で、銀行員の宮沢二郎氏は落選する形になった。
今井氏は京都市出身で、2017年から法律事務所の代表を務めている。2024年夏に選挙区内の尾道市に移住し、地域創生などの事業をしているという。
広島5区は、2022年の区割り変更前の旧6区とほぼエリアが重なる選挙区で、政務会長を務めたのち、2005年に自民党を離党した亀井静香氏、そして、立憲民主党の現職・佐藤公治氏が当選を重ねており、野党が強い選挙区だ。
地元紙記者がこう話す。
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「現在の広島5区は、洋一氏の伯父で、二郎氏にとっては大伯父にあたる宮沢喜一元首相が長年にわたり “地盤” としていた地域が大部分を占めています。そのため、いわば3代めでの世襲のようなもの。
当初は宮沢元首相の知名度や人脈を生かせるからと、二郎氏が候補者選びで優位に立っていました。
今回の支部長の公募には6人が応募し、4名が最終選考に残り、1回めの投票では二郎氏が今井氏を上回ったものの、過半数に届かず、決選投票で今井氏に決まりました。
県連は、二郎氏を選任すれば実質的な世襲となり、また父親と息子が同時に国会議員になることへの批判が広がることを懸念したようです。ただでさえ野党が強い選挙区ですから、フレッシュな候補者を求めたのではないでしょうか」
ある自民党関係者は、二郎氏の落選は父親の影響が大きかったのでないかとこう話す。
「自民党の税調会長である洋一氏は、支持率が上昇している国民民主党が求める『103万円の壁』撤廃による “手取りを増やす” 政策に抵抗する勢力の旗頭とみなされ、ネット上では『国民の敵』『ラスボス』とまで非難されています。
世襲批判もあったでしょうが、洋一氏に対する批判が想像以上に大きくなり、断念せざるを得なかったのではないでしょうか。
昔なら最初の投票で二郎氏に決まっていたのでしょうが、二階俊博元幹事長の三男・伸康氏が、昨年の衆院選(和歌山2区)で鞍替えした世耕弘成前参院幹事長に負けたように、今は地方でも世襲だからと言って、当選できるわけではない。
そういう意味では、広島県連の判断は賢明だったとも言えます」
自民党広島県連の判断に、Xでは《広島の方々、ナイスです》《マジで久々の朗報だわ》《バンザーイ! うれしー!》などと、賛同する声が相次いでいる。
広島県連は、“大世襲” を許さないという矜持を示したのかーー。