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【ミャンマー大地震】タイ駐在員が語る地震余波への恐怖“安全宣言”発表に疑問符、日本のゼネコンビルに寄せられる絶賛

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記事投稿日:2025.04.07 17:50 最終更新日:2025.04.12 15:28
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
【ミャンマー大地震】タイ駐在員が語る地震余波への恐怖“安全宣言”発表に疑問符、日本のゼネコンビルに寄せられる絶賛

倒壊したタイで建築途中だったビル(写真・時事通信)

 

 3月28日、ミャンマー中部を襲ったマグニチュード7.7の大地震。ミャンマー軍の発表では、死者は2000人を超え、米地質調査所(USGS)は「死者1万人超の可能性もある」としている。

 

 隣国・タイにもその影響が及び、とくに首都・バンコクでは高層ビルの外壁が剥がれ、内壁に亀裂が入るなどの被害が発生。在留邦人の間で不安が高まっている。

 

「タイには現在、約7万4000人の日本人が在留しており、その7割以上がバンコクに集中しています。被害を受けた建物には、日系企業のオフィスや日本人が多く暮らすコンドミニアムも含まれていました。タイ・コンドミニアム協会は地震翌日の29日、公式声明を発表。

 

『2007年以降に建設されたすべての高層建築物は、耐震設計に基づいて施工されており、安全性は保たれている』と強調しています」(社会部記者)

 

 

 実際、被害の多くは一部の壁材の落下や天井の破損など、軽微なもので済んだというが、こうした“安全宣言”に懐疑的な声も少なくない。30代の日本人駐在員がバンコクの現状を語る。

 

「2007年以降の建物は基準に沿っているという、コンドミニアム協会の説明ですが、2025年に完成予定だったビルの一部が崩壊しているんです。それを考えると、建物の揺れよりも崩壊の不安が大きくて、『本当に安全なのか?』という疑念が拭えません。とくに、高層階に住んでいる一部の外国人は地震以降、退去を始めています。今後しばらくは、高層階物件の人気や価値が落ち込むでしょうね」

 

 そんな状況で、まったく無傷のビルがあったという。

 

「日本の大林組が手がけたビルです。『まったく揺れない』とタイ人たちは驚き、称賛していました。免震装置の効果は絶大ですね」(同前)

 

 日本の建築技術力が評価されたわけだが、どんな免震装置を使用しているのか――。

 

「インターネットでそのようなお声をいただき、当社が評価されているのはありがたい話ですが、当社グループ(現地子会社)の施工案件で免振装置を設置した案件は確認できておりません。タイの耐震基準と、発注者の仕様に則って、現地のスタッフが誠実に施工をおこなっているだけです。

 

 状況確認中ですが、現在、弊社施工の建物において大きな問題は確認されていないと報告がありました」(大林組広報担当者)

 

 今回の地震は、日本企業の行動にも影響を与え始めているという。

 

「オフィス選びの基準が変わってきています。これまでは立地や広さ重視だった日本企業が、より耐震性の高い低層ビルを選ぶ傾向を見せています。これを“ビジネスチャンス”ととらえて、タイでもより安全なビルが増えるといいのですが……」

 

 天災なのか、人災なのかーー。

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