社会・政治
【関税措置】トランプ大統領と “戦う男” 赤沢亮正議員、石破茂首相が絶大な信頼を置く理由とは

トランプ大統領の関税措置について交渉する赤沢議員(写真・共同通信)
アメリカ・トランプ大統領の関税措置に関して、対米交渉をおこなうため、赤沢亮正経済再生担当相が4月16日に渡米することが決まった。大手紙の政治部記者が明かす。
「赤堀毅外務審議官が先に訪米して、事務レベルの協議を始めています。交渉相手のベッセント財務相は、関税措置の発表後に起きた米国債の金利の急上昇に強い懸念を持っているとされ、これが90日間の一時停止になった理由と囁かれています。
ベッセント財務相がヘッジファンド出身なのは知られていますが、専門は為替と債券です。
【関連記事:トランプ政権“暴走”の裏に浮かぶ“親衛隊”4人の存在…識者が解説する「本人よりトランプ的」な人物像】
関税措置の目的が貿易赤字の解消なら、為替を円高に誘導することで可能です。農産物も議題になるはずですが、これは日米の貿易交渉ではいつものこと。油断はできないものの、一定の合意形成は可能と官邸は考えているようです」
もっとも、今回が初入閣の赤沢氏の担当相への起用は、与党内でも異論があったという。
「まず、自分から手を上げたのに等しいのが、元幹事長の茂木敏充さんです。外相当時に担当した2020年の日米貿易交渉の裏話を自身の動画アカウントに投稿し、“アピール” までしていました。
とはいえ、今の石破政権は、岸田文雄前首相との共同政権のようなもの。自身も長い外相経験があり、また、幹事長としての茂木さんをまったく評価していない岸田さんが了解するはずもなく、茂木さんもどこまで本気だったか怪しいものです。
また、元経産官僚で農水相、経産相を歴任した斎藤健さんも担当相に色気を見せていたひとりです。初出馬で落選、2回めは比例復活だった斎藤さんを見出したのは石破さんで、長く石破派に所属していました。
ただ、安倍内閣で重用され、石破内閣に批判的な前経済安保相の高市早苗さんと個人的にも親しい。先の総裁選では明らかに高市さんをアシストするために動いていました。そもそも石破首相から全幅の信頼を受けているわけでもありません。今回の交渉でスタンドプレーは許されませんから、起用されるわけもありません」
赤沢経済再生相は、起用が決まった直後、「胃が1cm上がった」とサプライズだったと語ったが、石破首相は赤沢案しか頭になかったとされる。
「これまで当選8回でありながら、赤沢さんはまったく無役で過ごしてきました。ただ、石破側近として、ずっと行動をともにしている。
赤沢さんは、安倍政権時代に今井尚哉秘書官が使っていた個室を官邸内に持っています。つまり、四六時中、石破首相と一緒にいるんです。選挙区も同じ鳥取県ですからね。
石破さんが総裁選に初めて立候補した2008年から推薦人で、石破さんの政策集も、毎回、赤沢さんが書いています。起用されるのは当然のことですよ。
運輸官僚時代には日米航空交渉を担当し、相当ハードなやりとりを繰り広げたそうです。コーネル大学に留学経験もあり、英語も堪能です。
今回、“戦う相手” はトランプ大統領という強敵です。それでも、なんとか成果を持ち帰ってくれるのではないかと期待しています」(自民党議員)
はたして、トランプ大統領の “横暴” を止めることができるのかーー。