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神戸山口組組長宅が「強制競売」で「山口組分裂抗争」の“とどめ”になる可能性も…本人は邸宅を“堅牢化”の現在

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記事投稿日:2025.04.18 14:06 最終更新日:2025.04.18 14:06
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
神戸山口組組長宅が「強制競売」で「山口組分裂抗争」の“とどめ”になる可能性も…本人は邸宅を“堅牢化”の現在

自宅が急襲された、神戸山口組井上邦雄組長

 

「神戸市北区にある神戸山口組の井上邦雄組長宅では現在、塀を高くする工事が進められています。抗争状態にあった六代目山口組は、4月7日に“抗争終結宣言”を兵庫県警に出したばかり。それなのに井上組長は、新たな抗争に備えるための“要塞化”を進めているといわれます。この期に及んで、まだこんなことをしているのは、抗争終結の動きに逆行しているのではないか、とも指摘されています」

 

 そう話すのはヤクザ界に詳しいジャーナリストだ。

 

 じつは、塀を高くする工事をおこなうのには理由があった。2025年1月、元六代目山口組系組員の男が、塀を越えて井上組長の自宅内に侵入、車2台と物置の一部を燃やし、住居侵入と建造物等以外放火容疑で逮捕されていたからだ。さらに男は、拳銃を警察官に向けたとして、公務執行妨害容疑でも逮捕されている。都内在住の暴力団関係者はこう話す。

 

「これまで、井上組長の自宅はたびたび標的になってきた。過去には、六代目山口組の組員に拳銃を乱射されたり、ガソリンを撒かれたりしてきた。それが1月は塀を超えて侵入してきたので、命の危険を感じたのだろう。家の前には警察官が24時間常駐しているから安心していただろうが、襲撃によってそうもいかなくなった」

 

 ところがこの自宅をめぐって、まったく別の動きが報じられた。4月16日になって、この井上組長宅に対し、神戸地裁が強制競売の手続きを開始し、土地と建物を差し押さえていたことがわかったのだ。

 

 

 東京のコンサルティング会社の代表が2020年7月に、金融ブローカーから「借金を肩代わりしてくれたら、10億円融資する」と持ち掛けられ、借金分の2億5000万円を送金した。ところが一向に10億円の融資を得られず、返金を求めたら、神戸山口組の存在に言及し「何か文句があるのか」と返金を拒否されたというもの。井上組長は、暴対法の代表者責任を問われ、2024年12月に大阪高裁が2億7000万円の損害賠償を命じた。それを受けて神戸地裁が井上組長の自宅が、強制競売の手続きを開始したのだ。

 

 現在組長側は、民事訴訟の判決を不服とし、最高裁に上告受理を申し立てている。しかし、判決が確定したあとに支払いがないまま手続きが進めば、裁判所は入札を実施することになる。前出の暴力団関係者はこう話す。

 

「井上組長は、六代目山口組が抗争終結宣言を出しても、何も反応しなかった。目の前で警察官が24時間警備しているし、塀も高くしている。これで自宅に籠って動かなければ、命を狙われないと井上組長も思っていただろう。

 

 しかし、今後の裁判所の判断次第では、強制退去もありうる。組長が自宅を出なければいけなくなるとすれば、終結宣言を受け入れざるを得ない状態になるかもしれない」

 

 この強制競売が、山口組分裂抗争の“とどめ”になるかもしれない――。こうした状況にありながら、今日も井上組長の自宅の塀は高くなり“堅牢化”しつつある。競売と“改造”が同時に進んでいる、何とも奇妙な状態にあるのだ。

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