社会・政治
国民・玉木雄一郎 都議選・参院選に向け無差別“公認勧誘” 誘われた地方議員が語る“不安”とは

10月30日深夜、都内のバーで元グラドルと密会した後に“変装”するかのように、フードを被って出てきた玉木雄一郎氏(写真・皆川拓哉)
「『無所属なの? なら、国民民主党に入ってよ』って、いきなりですよ。リップサービスとはいえ、曲がりなりにも公党の代表が、衆人の中、こちらが無所属議員と知っての発言ですからね。驚いたというより、ちょっと、軽いなあと思いましたよ」
とは、先のメーデーでたまたま顔を合わせた玉木雄一郎代表から国民民主党入りを勧められたという地方議員だ。
6月に予定されている東京都議選と7月の参議院選挙に向け、各党の公認候補者の擁立が進んでいる。なかでも注目されているのは、総選挙に続き議席の大幅増が期待されている国民民主党である。
「都議選ではすでに16人の公認候補者を擁立しています。特徴的なのは定数3以下の選挙区にも擁立していることですね。前回の都議選で都民ファーストの会や立憲民主党が、公認や推薦、支援した現職がいる選挙区です。要するに殴り込みにいくというわけです。
少なくとも自民党は裏金問題を受けて現在の30議席から大きく減らすのは確実としても、このままでは選挙協力も噂される都民ファーストの会や、同じ連合を支援団体に持つ立憲の候補者を落とす可能性もあります。
共産党を含めて、自民、都ファ、立憲、国民が15議席から20議席の間で横並びになるのではないかという予想もあります。いずれにせよ、1993年の都議選で一気に20人が当選した細川護熙元首相が率いた日本新党以来の大躍進になるのは間違いない状況です」
とは、大手紙の政治部記者だ。そんな中、玉木代表は冒頭のとおり、同党に勧誘するかの発言を、アチコチで繰り返しているという。狙いは7月の参議院選挙だ。
「現在、国民民主党の参議院議員は12名で、今回の改選は4議席。幹事長の榛葉賀津也氏以外は、すべて連合の組織内議員です。組織内議員についてはしっかり得票できるでしょうから問題はありません。それ以上に、全国比例で1000万票超の得票が予想される今回、比例区だけで8議席程度は取れる可能性が高い。先の総選挙では候補者の不足で3議席も他党に譲る結果になっています。つまり、まだまだ候補者を広く発掘する必要があるんです」
だが、こうしたむやみやたらな勧誘が新たなハレーションを起こしているのは間違いない。
「たとえば、東京選挙区で公認を受けたNHKの日曜討論キャスターの牛田茉友さんです。もともと前回の参議院選で自民党が擁立を検討していた経緯もあって、玉木さんが一本釣りしました。しかしNHKは、3月の番組改編期をまたぐ結果になったことや、千葉選挙区に元記者だった小林さやかさんまで立候補することになり、国民民主党によって、局内から2人も引き抜かれたことにカンカンに怒っているんですよ」
と、国民民主党の関係者が明かす。さらに、
「じつは牛田さんと同日に発表予定だった菅野志桜里さんの比例区擁立も玉木さんの独断なんです。直前に衆議院議員の平岩征樹さんの不倫報道があったことで、同日の発表は見合わせになりましたが、玉木さんと同じように過去に不倫問題を報じられたことのある菅野さんを擁立するのはどう考えても無謀ですよ。
もともと玉木さんの不倫問題について、女性議員の間には不満が溜まっていますからね。何の反省もないのかということになるわけです」
玉木代表から“勧誘”を受けた冒頭の地方議員もこう言って心配する。
「浮かれすぎですよね。とにかく党の勢いがあるから、いかにこの勢いを維持するかで頭がいっぱいになっている。でも、国政政党の代表なので、言葉には実行責任が伴うものです。誰を公認する、しないはまさに人の人生を左右する最重要の問題です。そこをわかっての発言なのか、この先、言った言わないのトラブルになるのではと心配です」
足元をすくわれないといいが……。