社会・政治
【コメ高騰】小泉進次郎新農相 就任前「一人でパックご飯を買いに」近所のコンビニ店員が“重大証言”JAとの“2度めの対決”も

農相に就任した小泉進次郎氏
「私はコメは買ったことがありません。支援者の方々がたくさんコメをくださるので。売るほどあります」
農林水産省によると、5月5〜11日に全国スーパーで販売されたコメの5kgあたりの平均価格は4268円。前年同期比で2倍を超える高騰に苦しむ国民にとって、江藤拓農相の発言は“挑発”以外のなにものでもなかったーー。
5月20日、石破首相はこれまで続投させる方針だった江藤氏の事実上の更迭を決め、後任に小泉進次郎衆院議員を起用した。小泉氏は「コメ担当大臣という思いで集中して取り組んでいきたい」と意気込みを語り、5kg2000円台を目指すとした。では、その手腕はどうなのか。政治部デスクが語る。
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「小泉氏にとって、辞任した江藤氏は議員の中では数少ない“飯を食いに行く友人”です。もっといえば江藤氏が兄貴分というところでしょうか。そういう意味では、石破首相としても小泉氏を後任に据えるのはちょうどよかったといえるでしょうね」
気になるのは、小泉氏がどこまでコメ対策に本気なのかというところ。“コメを買わない”という江藤氏と異なり、小泉氏は「いろんなコメを買います。うちは息子も娘もまだ小さいものですから、パっとすぐ時短であげなきゃという時は、パックご飯も買います」と語ったが、真相やいかに。
本誌はファクトチェックのため、小泉氏の自宅周辺で聞き込み調査をおこなった。小泉氏が暮らすのは、東京都・港区の超高級住宅街。緑豊かな公園がそばにあり、子育てにうってつけの場所だ。近所の高級スーパーの店員はこう語る。
「最近は見かけませんね。以前は、時折いらっしゃっていたみたいですけど。コメを買っていたかどうかもわかりません」
その後複数のスーパーをまわったものの、小泉氏がコメを日常的に購入している様子はなく、まさか江藤氏と同類かと思いきや、近所のコンビニ店員はこう証言するのだ。
「大臣就任前のことですが、つい最近まさにパックご飯を買っていましたよ。一人でふらりと来られて買っていきました。私もびっくりしたんです」
まさに会見で語った通り、小泉氏はパックご飯の愛好者だったのだ。小泉家に詳しい関係者はこう分析する。
「小泉家では、長女を夫人の滝川クリステルさんが、長男を小泉さんが見るという育児分担をしています。もちろん、多忙な2人ゆえシッターがいるようです。ただ、外国生まれで自身もシッターの世話を受けてきた夫人に対し、小泉さんは実父の純一郎氏の離婚により早くに実母と別れ、伯母の道子さんに育てられてきました。こうした経験を踏まえ、『長男にはさみしい思いをさせない』という考えで、なるべく自分の手で育児をしたいようです。当然、食事の用意なども自分で支度をしているそうですよ。とはいえ政治家の生活は不規則ですから、パックご飯も活用しているということでしょう」
小泉氏はコメの価格が下がるまで、備蓄米の放出を積極的におこなうと述べているが、当然、価格維持を図りたいJA全農が立ちはだかることになる。
「ある意味では、“2度めの対決”となりますね。小泉さんが2015年に農林部会長として着手したのがJA全農改革です。結局、2016年にすったもんだの末にまとめられた『農業競争力強化プログラム』では、ほとんどの課題が先送りされた形になりましたが、それまで、ほぼ聖域だったJA全農に課題を認めさせたことは、政治的には成功と言えました。ポエマーと呼ばれる小泉氏も、この時は、『負けて勝つ、の思いだ』とまともな総括をしています。
小泉氏の後ろ盾は、当時農水次官だった奥原正明氏。ほぼ毎日、小泉氏の事務所に赴きレクチャーしたと言います。省内ではゲシュタポの異名も取った剛腕官僚で、次官在任期間に本流とされる官僚を次々と退官させて、その後の改革路線を定着させたうえで2018年に退官しています。つまり、現在の農水省は改革派官僚の牙城と化しているんです。つまりJAに遠慮のない集団に変貌しているだけに、今回は成果が出しやすい環境といえるでしょうね」(政治部デスク)
コメの価格がなかなか下がらない背景には、備蓄米を大量に買ったJAの出荷サボタージュの疑いも指摘されている。新農相には“聖域なき改革”を断行してほしい。