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玉木雄一郎 備蓄米を「餌米」呼ばわりも農水省は「非主食米です」完全否定…じつは“超高品質”の裏事情

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記事投稿日:2025.05.29 20:59 最終更新日:2025.05.30 10:14
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
玉木雄一郎 備蓄米を「餌米」呼ばわりも農水省は「非主食米です」完全否定…じつは“超高品質”の裏事情

5月28日、備蓄米を“餌米”呼ばわりする玉木代表(写真・長谷川 新)

 

 5月28日開かれた衆院農林水産委員会で、国民民主党玉木雄一郎氏が小泉進次郎農相に投げかけた質問が波紋を呼んでいるーー。

 

「玉木氏は質問の中で、政府が随意契約で放出する2021年産の備蓄米について、『あと、1年たったら実は餌米で出す予定だったんですよ。1年たったら動物の餌になるようなものを安く売りますたって、そりゃあ安く出ますよ』と発言したんです。確かに、制度上は事実ですが、備蓄米のことを“餌米”と呼んだことは不適当ではないかと批判が殺到しています。時間が経ったものであれ、コメ農家が丹精込めた作ったコメですからね」(経済担当記者)

 

 玉木氏もさすがにまずいと思ったのか、当日中に《今日の農水委員会質疑での私の「備蓄米は1年で家畜のエサ米になる」との発言について誤解があるようなので補足します》と、自身のXアカウントに長文の投稿をして釈明した。その中で玉木氏は、

 

《「現在の備蓄米制度は『棚上備蓄』という方式をとっており、主食用米として使用しなければ、5年持ち越し分は家畜のエサとして(飼料米として)放出されることになっています。ですから今回、中小スーパーに出す2021年産の備蓄米は何もなければあと1年で飼料用米として安く売りだす予定のものでした」

 

 

 と備蓄米のシステムを解説。さらに、質問の真意として

 

《こうした元々安いお米を安く市場に出すのもいいが、やはり消費者からすれば、いつも食べていたササニシキやコシヒカリなどの値段がもっと手頃な水準になってほしいはず。備蓄米を放出するだけでは、こうした銘柄米は下がらず、石破総理の言った3000円台の実現は難しいのではないか。この点について小泉大臣の認識を聞いたわけです》

 

 と投稿した。さらに“餌米”という表現については、《農業関係者の間では一般的にそう言われている》と譲らなかった。

 

 一方、備蓄米を担当する農水省農産局農産政策部企画課の職員は、本誌の取材にこう語る。

 

「備蓄米は専用倉庫に厳格な温度、湿度管理のもと、精米前の状態で保管されています。5年間というのは単純に5年分を保管するという期間であって、備蓄米の品質が変質するなどの理由ではないことをご理解いただきたいと思っています。5年経った備蓄米について、『餌米』という表現は、していません。『非主食米』ないし『飼料米』と呼んでいます。もともと、家畜などへの飼料用に作付けした米を『飼料米』と呼んでいるのと同じです。

 

 一般的に米は精米されて袋詰めされ、常温で流通します。備蓄米も同じように精米され、袋詰めされて流通しますが、さすがに新米まではいかなくても、産地が同じなら備蓄米でも味にそれほど差はないと聞いています」

 

 むしろ“新米”よりもおいしい可能性もある。別の農水省関係者はこう語る。

 

「備蓄米は、買入先に近い全国定温倉庫協同組合の専用倉庫で保管されています。温度、湿度も徹底管理された状態で、農薬の類いも使用していません。はっきりいって民間の米業者ではコスト的に不可能なレベルの品質管理をしているんですよ。

 

 じつは昨年も、備蓄米の放出について検討した際、2019年の備蓄米と、2023年の備蓄米をそれぞれ農水省の技官など担当者が食べ比べをしているんです。結果、彼らのような米の専門家でもほとんど違いがわからなかったそうです。要するに備蓄米は手間暇かけられた“超高品質”なんですよ」

 

 では、玉木氏があくまで「餌米」という表現にこだわるのはなぜか。国民民主党の関係者は肩を落としてこう答えた。

 

「キャッチーだからではないですか。質問中はなぜか終始、してやったりという表情でしたから。そもそも質問の冒頭から、かつて自民党の農林部会長だった小泉農相と農業問題で対談したことがあったとかで、『9年ぶりの対決だ』などと、いつになく前のめりでした。立憲民主党代表の野田佳彦氏も、日本維新の会の前原誠司共同代表も、相手が国民的に人気のある小泉農相だから質問に立ったようなもので、しかも、上から目線の提言ばかり。それでいて小泉農相に、『(質問趣旨は)この理解でいいんですか?』などと、ほとんどいなされて終わっています」

 

 備蓄米の味が証言通りであれば、軍配は小泉氏にあがりそうだ。

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