社会・政治
【日本一早い7月参院選予測】進次郎「コメ劇場」の影響は? 東京で国民民主2人が共倒れ、大阪は維新陥落も

進次郎農相就任は自民党に追い風。国民民主党は支持率が低下(写真・長谷川 新、共同通信)
小泉進次郎農相(44)が打ち出した「備蓄米放出」は、7月の参院選にどんな影響を与えるのか――。参院定数248人のうち、今回は124議席と東京選挙区の欠員(1議席)の計125議席が争われる。政治担当記者が語る。
「自民党と公明党の連立与党は昨年10月の衆院選で大敗し、少数与党になりました。そのため、今回は過半数(125議席)を絶対に維持したいところ。今回改選となる自民党52議席、公明14議席の計66議席のうち、50議席を獲得すれば参院全体で過半数を維持できます」
今回、政治評論家の有馬晴海氏に、最新選挙情勢と当落を予想してもらった。
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「自民党はパーティーの裏金問題、政党支部や1期生議員への金品の支給、消費税減税の否定など、いい材料がありませんでした。江藤拓前農相(64)の舌禍(ぜっか)で、参議院も過半数割れ必至だと思われていましたが、小泉氏の登場で、追い風が吹いています」(有馬氏、以下同)
野党共闘が不発に終わったことも、自民党にはプラスだ。
「小泉氏の農相就任によって200万〜300万票程度の上積みが期待できると考えます。当落線上だった2、3名の候補者が救われる可能性はあるでしょう。だが、今回は自民党は5議席減と予測。野党に流れていた票が一気に自民党に来ることはないと考えます」
有馬氏に注目選挙区を挙げてもらった。
「まずは東京選挙区。ほぼすべての党が候補者を擁立している大混戦の選挙区です。れいわ新選組は、選挙戦になれば街頭演説は山本太郎代表(50)の独演会になることから、候補者未定ながら『やや優勢』としました。一方、国民民主党から同区で立候補する元NHKアナウンサーの牛田茉友(まゆ)氏(40)は、『政治能力は未知数』という声が多く聞かれます」
「手取りを増やす」のスローガンで躍進した玉木雄一郎代表(56)が率いる国民民主党だが、伸びきれていないのだ。
「同党は東京選挙区に2人の候補者を擁立していますが、これは “上昇気流” に乗っていたときに決めたこと。玉木代表の『備蓄米は家畜のエサ』発言などで支持率が下がっていることもあり、共倒れが心配されています」
大阪選挙区は、日本維新の会の党勢に翳(かげ)りが見え始めている。昨年8月の箕面市長選では、現職候補を大阪維新の会が公認したものの、維新の現職首長が敗れる初の事態に。
「維新は大阪選挙区の公認候補として、新人2名を選びました。大きな失態もなかったのに現職議員が候補者になれず、支持者から疑問の声が上がっているのです。かつてなら◯(優勢)でしたが、△(やや優勢)としました。東京選挙区では▲(やや劣勢)です」
維新の影響が大きい兵庫選挙区には、前明石市長の泉房穂氏(61)が出馬する。
「知名度があり、当選する可能性はかなり高いです」
そして和歌山選挙区には、自民党の実力者だった二階俊博元幹事長の三男・二階伸康氏(47)が立候補する。昨年の衆院選で、伸康氏を破った世耕弘成氏に近いとされる前有田市長・望月良男氏との公認争いを制したのだ。
「伸康氏は、楽勝ではないものの、今回は当選すると予測します。ただ、世耕氏の応援を得られるかどうかが、不安材料ではあります」
著名人が名前を連ねる比例代表も、自民党と国民民主党で明暗が分かれるようだ。
「自民党は、票読みから当選は当初11人とみていました。これが小泉効果で上積みがあり、14人の当選が見込まれています。国民民主党は、当初は10人と見込まれていました。現状では、6人くらいに落ち着くのではないでしょうか。
都知事選で2位になった石丸伸二氏(42)が率いる『再生の道』の存在感がなく、支持者が流れることも考えられますが……」
予測結果は、与党は60議席と過半数を維持する見込みだ。
「2022年の参院選では、与党が76議席を獲得し、大きく議席を伸ばしました。今回も小泉氏の『コメ劇場』が一定の効果を生み、このときの貯金を使い果たさずにすみそうです。当初は参院の過半数割れで自公国連立が囁かれていましたが、国民民主党の失速で自公政権が続きそうです」
自公6減で、石破首相と玉木氏の連立は消えた。大山鳴動して……なんとも食えない “コメ選挙” になりそうである。