社会・政治
国民民主、支持率ほぼ“半減”の衝撃…原因は山尾氏「公認内定」以上に玉木代表の“無責任”手のひら返し、笑うは自民党ばかり

6月11日、党首討論後の会見で山尾志桜里氏の公認内定取り消しを受けて、質問に答える国民民主党の玉木雄一郎代表(写真・長谷川 新)
国民民主党への支持低下が止まらないーーー。
6月19日、時事通信が6月13〜16日に実施した世論調査で、7月に実施が見込まれる参院選比例代表の投票先を尋ねたところ、前回調査(5月16〜19日)で野党トップだった国民民主党が、5.2ポイントという大幅減の6.0%となったと報じられた。ほぼ“半減”というショッキングな数字だ。
一方で、自民党は最多の24.5%で前回よりも4.8ポイント増加し、立憲民主党は1ポイント減の8.3%だったという。
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国民民主党への投票先がほぼ半減という結果に加え、前回の調査が5月16〜19日だったという点にも注目が集まっている。
政治担当記者が言う。
「国民民主党は5月14日、国民民主党に所属していた山尾志桜里元衆院議員や立憲民主党に所属していた元参院議員の須藤元気氏、日本維新の会に所属していた元衆院議員の足立康史氏、自民党に所属していた元参院議員の薬師寺道代氏の、4人の元国会議員の公認を決定しました。
とくに山尾氏をめぐっては、衆院議員時代のガソリン代の不正支出、JR無料パスの私的利用、そして弁護士の倉本麟太郎氏とのダブル不倫問題が再浮上し、SNSなどを中心に出馬に対する批判が殺到。同時に山尾氏を公認した党への批判の声も高まっていました。ところが、5月の調査結果は公認決定後の調査にもかかわらず、4月の同調査(4月11〜14日)での10.6%から0.6ポイントアップの11.2%へと上昇していたのです。
つまり、14日の公認決定自体が、支持率に大きな影響を与えたというわけではないことが推察されます。問題はやはり、最新の調査がおこなわれる2日前、6月11日に山尾氏の公認を取り消したことが大きく支持を落とした要因だとみて取れます」
6月11日、国民民主党は両院議員総会で、山尾氏の公認を取り消した。山尾氏は前日の10日に出馬会見を開いたばかりだった。
「会見は不倫問題に集中しましたが、山尾氏は『いま新しく言葉をつむぐことはご容赦をいただきたい』などと、明確な説明を避けました。そのため、会見は“失敗”だったと、多くの記者が感じていました」(同前)
玉木雄一郎代表は、山尾氏の公認取り消しが決まった11日夜、「有権者、全国の支持者から十分な理解と信頼が得られないと判断した」と、山尾氏を突き放したのだ。
前出の記者が続ける。
「玉木氏は山尾氏を公認することで、過去のさまざまな疑惑が再燃することは十分に理解していたはずですが、11日の夜『(対応が)遅かった。もっと別の対応があったのではないかという批判は、真摯に受けとめたい』と言い訳していました。しかし、そもそも山尾氏を引っ張り出したのは玉木氏自身で、しかも公認決定後の山尾氏のチラシに、玉木氏は『どうしても必要な人材です』と太鼓判を押すメッセージを寄せていたんです。それなのに、山尾氏にはひとりで会見させたうえ、会見がうまくいかなかったからと、手のひらを返すような仕打ちをするのはあまりに無責任だと感じた人が多かったのではないかと思います」
しかし、山尾氏をめぐるゴタゴタはこれで終わらなかった。
公認取り消しから一夜明けた12日午前、山尾氏は「両院議員総会での公認取消決定について」と題した声明文を発表。玉木代表への恨み節を炸裂させた。
山尾氏は、2024年来、玉木代表から国政復帰の誘いを受けており、2025年に入り、あらためて玉木代表から参院選での出馬を要請され、その後、玉木代表と榛葉(しんば)賀津也幹事長の2人も同席のうえで、重ねて出馬の要請を受けたと明かした。さらに、出馬会見については当初の4月23日が持ち越され、早期の会見を望んでいたものの、党からの判断を待った結果、6月10日になってしまったとつづった。
そして、「ひどい仕打ち」と玉木代表が批判されたのが、10日の会見に触れた部分だった。
《代表・幹事長の同席を希望しましたが、辞退会見であれば同席するとのお答えは大変残念でした。ただ、私は辞退の意思はありませんでしたし、会見するという自分の言葉を守る責任がありましたので単独で臨んだ次第です》
「この“暴露”は、会見の内容がどうであれ、玉木氏が公認取り消しを会見前に決めていたということになります。これはひどい仕打ちだと思いましたし、この部分の玉木氏の言動が、国民民主党を支持していた人からもソッポを向かれた大きな要因だと思います」(同前)
そして、山尾氏は最後にこうしたためたのだ。
《この国政への固い意志を引き出してくれた国民民主党には感謝しつつ、その統治能力には深刻な疑問を抱いておりますので、今後は一線を画させて頂ければと思っております。さきほど、国民民主党には離党届を提出いたしました》
国民民主党が参院選比例代表の投票先の支持率を急落させたことについて、Xには《国民民主の失態のせいで自民党が笑ってるな》《民民ほぼ半減で草》《国民民主党全然ダメじゃん。回復の兆しが全く見えない。》などと辛らつな声があがっている。
参院選まで残り1カ月。玉木氏は党勢をどう立て直していくのか。