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山尾志桜里氏“意地”の無所属出馬が引き起こした東京選挙区“大波乱”指摘される立憲・国民の票を“食う”可能性

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記事投稿日:2025.07.03 14:17 最終更新日:2025.07.03 17:47
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
山尾志桜里氏“意地”の無所属出馬が引き起こした東京選挙区“大波乱”指摘される立憲・国民の票を“食う”可能性

2025年7月1日、都内で会見を開き、参院選への立候補を表明した元衆院議員の山尾志桜里氏(写真・長谷川 新)

 

 不倫や政治資金報告書への燃料費の過剰記載など、過去に報じられた疑惑について説明しきれていないとして、国民民主党からの公認を見送られた元衆院議員の山尾志桜里氏。7月1日、参院選の東京選挙区に、無所属で立候補することを表明した。

 

 山尾氏は6月、国民民主党から出馬するとして会見をおこなっていたが、直後の党両院議員総会で、公認の見送りが決まった。山尾氏は会見で、国民民主党の玉木雄一郎代表の要請で政界復帰を決めたと繰り返し語っていたことから、公認見送りは同党と玉木代表への反感が強まった。

 

 

 東京選挙区は定員の6人に、今回は蓮舫氏の自動失職にともなう欠員分の計7人が当選するが、31人が立候補しているこの巨大選挙区では、無所属候補の山尾氏の当選は厳しいとされる。あらためての出馬会見で、「(国民民主党への)リベンジという考えはまったくありません」と答えていた山尾氏だが、それでもなお、立候補を決めたのは玉木代表への反撃ではないかと、永田町ではもっぱらの噂だという。野党関係者が明かす。

 

「山尾さんへの批判は、不倫疑惑に関するものが大半です。それはつまり、同じ疑惑を抱える玉木さんにも向かうことになります。また、山尾さんが立候補したことで、玉木さんは、山尾さんの擁立と公認見送りの経緯について、謝罪を繰り返すことにならざるをえません。

 

 さらに玉木さんは、山尾さんの公認見送り後も、国民民主党の女性の支持率が上がらないことについての舌禍事件が問題になりました。東京選挙区で玉木さんを応援に使いづらい状況になっているんです」

 

 これにいちばん痛い思いをしているのは、東京選挙区に出馬する、国民民主党の候補者2名だろう。関係者が続ける。

 

「国民民主党は、東京選挙区への公認候補として、元NHKアナウンサーで『日曜討論』の司会者だった牛田茉友さんと、元IT会社社員の奥村祥大さんの2人を立てています。ところが党本部内では、牛田さんの知名度が意外にないことや、アナウンサーだったわりには演説が下手だとして不安視する声が高まっているといいます。これにともなって、2人の候補者の戦略練り直しに迫られているとか。

 

 それに加えて、“一枚看板”の玉木さんを選挙区応援に入れにくいとなれば、『牛田さんか奥村さんかのどちらかに票を寄せないと、とも倒れもあるのではないか』と心配している都連関係者もいるようです」

 

 その一方で、山尾氏が“食う”と見られている層もあるようだ。ある選挙プランナーは、このように票読みしていた。

 

「立憲民主と国民など、ほかの既成政党から、大なり小なり、山尾さんに票が流れることになるとの見方が強いです。逆に山尾さんの立候補による影響がないのは、組織票の強い自民・公明と共産と見られているんです。とくに、都市部と多摩地区で候補者の棲み分けをする立憲にとっては、山尾さんは脅威でしょう。

 

 さらに“箱推し”傾向の高い参政党は、候補者に関係なく今回の参院選では一定の票を取ると思います。そうなると、各党の得票が割れて、当選票数がぐっと下振れしてくる、というのが東京選挙区での見立てです。

 

 確実なところでは、自公のそれぞれ1人、立憲の1人、共産1人までの4人は当選圏内として、残るは3議席。自民と立憲の残る1人、国民の2人、れいわの1人の5人が“団子状態”です。山尾さんが国民民主党候補に打撃を加えたことで、輪をかけた激戦となっています」

 

 山尾氏にとっては“意地”の立候補なのかもしれないが、東京選挙区は、彼女によって波乱が巻き起こりそうなのだ。

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