
石破茂首相
「残念ながら我々の関係は相互的なものからはほど遠い。8月1日から、日本から米国に送られる全ての製品に25%の関税を課す」
7月7日、トランプ米大統領が、日本に課す相互関税の新たな税率を25%にすると表明、日本政府に書簡を送った。
「これまで交渉担当だった赤沢亮正経済再生担当相が7回訪米していますが、成果は得られなかったことになります。
SNSでは『子供のつかいか』と揶揄されましたが、実際、そう言われても仕方なかった面もあります。
赤沢氏は7月1日の会見で『多くは(会談)日程の約束がないまま現地入りした。羽田空港を離陸した時点では日程が確定していなかったことがほとんどだった』と驚きの舞台裏を明らかにしたのです。
大臣がアポなしで訪米するなど前代未聞。米政府とのパイプが機能していなかったことになります。
米政府も押しかけられて困惑したのでしょうか。無下にもできず交渉に応じたようですが、6月末の訪米ではついに滞在を延長したものの、米側責任者のベッセント財務長官とは会談できず、ラトニック商務長官と会うのがやっとでした。
それでも、赤沢氏は会見で『押しかけて交渉相手の閣僚と会えなかったことはない』とドヤ顔で胸を張っていました」(政治担当記者)
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なんとも心もとない「行きたりばったり」の交渉だが、石破首相はケンカ腰だ。
7月9日に千葉県船橋市で演説をした石破首相は、拳を振り上げながら「これは国益をかけた戦いです。なめられてたまるか」「たとえ同盟国でも正々堂々言わなければならない」と睨みをきかせたのだ。
自民党内では小野寺五典政調会長が「手紙一枚で通告することは同盟国に対して大変失礼な行為で強い憤りを感じている」と、石破首相の怒りに同調する動きもあるが、Xでは
《国民に言わずにトランプに直接言えばいいのに》
《総理大臣が言う言葉かな》
《内弁慶で味方しか居ないところでイキってるだけ》
《これは国民がお前に言うセリフ!》
など、批判のポストばかりが目立っていた。
19日、ベッセント財務長官が大阪・関西万博を訪問する。 日本は赤沢氏が出迎える予定だが、関税交渉が行われるかは決まっていないという。
相変わらずの「アポなし」で交渉を迫るのだろうか。25%の関税が発動するまで、残り20日しかない。