
NHK放送センター
都の庁有車で、NHKの受信料およそ5100万円が未払いだった――7月14日、東京都財務局がこんな発表をした。現在、東京都はテレビの視聴機能がついた公用車が1404台ある。このうち、知事が使用する公用車も含めたリース契約車など518台で、NHKの放送受信契約がされていない可能性があるという。
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未払いの原因について、東京都は公式サイトで、
《リース契約による運用を行っており、リース会社側が受信契約を締結すべきと考えていたため》
《庁有車として購入した車両についてTV受信機能がカーナビゲーションシステムと一体になって備わっており、受信契約の手続きが行われていないことが判明したため》
と説明している。
「簡単にいえば『受信契約はリース会社の担当だと思っていた』ということです。
放送法第64条によれば、個人は世帯単位で契約することになり、家の中に複数台の受信機があっても、同一住所・同一生計であれば1軒分の契約で完結します。これは携帯電話、スマートフォン、カーナビ、パソコンも含まれます。
一方、法人の場合は、設置場所ごとに受信契約が必要となります。たとえばホテルだと、受信機を置く部屋の数だけ受信契約を結ぶ必要があるのです。
法人所有の自動車も1台1台が『個別の設置箇所』という判断になるので、テレビ受信機能がついたカーナビが搭載されていれば、その分の受信契約をする必要があります。ここを失念する自治体が意外に多いようです」(社会部記者)
実際、2025年に入って、埼玉県や岡山県、栃木県などでNHKと受信契約をしていなかったことが続々と判明している。自治体だけでなく、東京消防庁も14日に消防車に搭載されていたナビについて未契約だったと発表している。
ちなみに、2024年度末時点で世帯と事業所をあわせた契約率は81%、支払率は78%、受信料収入は2024年度決算で5901億円になる。
そこで気になるのは、NHKが所有している公用車・事業車にテレビ受信機能つきのカーナビが搭載されている場合、受信料の取り扱いがどうなるのかということだ。NHKに問い合わせると、こんな回答が。
「NHKが自らに受信料を支払うことは企業会計上取り得ないため、NHKが設置した受信設備(テレビ受信機能付きカーナビを含む)について、受信契約は不要として取り扱っています。」
言われてみれば当然の答えだが……いずれにせよ、自治体の公用車が受信料を払う必要があることを、意外に感じた人は多そうだ。