
2024年12月12日に国会に姿を見せた麻生太郎氏。自民党内から「頬がこけた」という声も
7月20日投開票の参院選も終盤に入り、各党の情勢が次第に明らかになってきた。
「やはり苦戦しているのが自民党と公明党の連立与党です。2024年10月の衆院選、今年6月の都議会選と同様に、投票日に近づくほど劣勢になる傾向が見られます。
石破茂首相(自民党総裁)は、非改選議員を含む過半数の125議席維持を目標に掲げています。
今回の選挙では自公あわせて50議席を獲得すれば参院全体で過半数になりますが、ほとんどの報道機関が、最新世論調査などから『過半数維持は困難な情勢』と分析しています」(政治担当記者)
そのため自民党は、幹部クラスが続々と「接戦選挙区」や「当落線上の比例代表候補」の応援に駆けつけている。
なかでも、麻生太郎元首相・党最高顧問の精力的な動きが注目されている。
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「7月3日の公示前から地方に足を運んで街頭に立ちました。これは珍しいことです。そして選挙戦が始まると連日、猛暑のなか『東奔西走』で応援演説をしています。
17日には苦戦が伝えられている東京選挙区候補者の応援に、岸田文雄前首相、小池百合子東京都知事らと入ります」(同前)
麻生氏に応援依頼が多いのは、話が面白く、聴衆が盛り上がるからだと言われている。
10日、仙台市で演説をした麻生氏は、「(自身を指さして)初めてこのツラを見た人?テレビより良いと思った人?」と会場を沸かせた。
「しかし聴衆が盛り上がれば盛り上がるほど、『リップサービス』をしてしまうのが麻生さん。問題発言をしないか心配もされています」と自民党関係者は苦笑する。
その予兆はありそうだ。9日、比例代表の女性候補者の応援をしたときは「当選5回。(候補者は)結構な年季を重ねてきましたが、これだけ若く見られるのは、(候補者の)信念があるからだと思っています」と女性の年齢をイジるような際どい発言で支持者の笑いを誘った。
また、15日には大阪選挙区から出馬している候補者の個人演説会で、ロシアのウクライナ侵略をめぐり「西(のウクライナ)に行った人が東(の日本)に行かない保証はない」「(ウクライナ侵略は)遠い国の話だと思いがちだがロシアの東端は日本だ」と語り、防衛力強化に理解を求めたが、自民党支持者からも「煽りすぎではないか」という心配の声が聞こえる。
「終盤戦での失言は取り返しがつきません。麻生さんに限らず、発言は慎重の上にも慎重を期してほしいですね」(前出・自民党関係者)。
投票日まであと4日。