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「高齢女性は子どもが産めない」参政党代表の発言を女性候補はどう思う? 街頭演説中のさや氏を直撃

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記事投稿日:2025.07.17 14:25 最終更新日:2025.07.17 14:25
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「高齢女性は子どもが産めない」参政党代表の発言を女性候補はどう思う? 街頭演説中のさや氏を直撃

練馬駅前で演説する、さや氏

 

 参院選で、参政党から東京選挙区に立候補した、さや氏(43)が注目を浴びている。さや氏はジャズシンガーとして活動する傍ら、保守系インターネット番組でキャスターを務めており、今回が初の出馬となる。

 

 現在、参政党は若者を中心に支持を広げ、この参院選では大きく議席を増やすと見られている。その勢いを支える一方、社会の対立をあおっているのが同党代表・神谷宗幣氏の過激な発言だ。公示日の7月3日、神谷氏は街頭で次のように持論を展開した。

 

「子どもを産めるのは若い女性しかいない」

 

「申し訳ないけど、高齢の女性は子どもが産めない」

 

「子どもを産んだほうが安心して暮らせるな、という社会状況をつくらないといけないのに、働け、働けってやりすぎちゃった」

 

「選択的夫婦別姓とか、LGBTとか、そういうイデオロギーの絡んだ共産党や立憲民主党の政策にも、ノー」

 

 これらの主張に対し、SNS上では「女性は産む機械ではない」「時代錯誤」などという批判が殺到している。また、全国で次々と女性団体が抗議デモをおこなったことも報じられている。

 

 

 女性候補として、さや氏は党首の発言をどう受け止めているのか。「女性蔑視」「LGBT差別」ともとらえられる神谷氏の発言への、さや氏の見解を、筆者が参政党本部を通じて尋ねたところ、「候補者個人への質問はすべてお断りしています」との回答だった。

 

 ところが、さや氏は7月10日、ジャーナリストの須田慎一郎氏による単独取材を受けている。その模様は、DHCの吉田嘉明元会長が立ち上げたYouTubeチャンネル『真相深入り!虎ノ門ニュース』で配信された。特定のメディアの取材にしか応じないという姿勢なのだろうか。

 

■自分の主張はわずか10分

 

 個別取材の許可は得られなかったものの「撮影は可能」とのことで、筆者は7月13日、練馬駅前でおこなわれた、さや氏の街頭演説に訪れた。

 

 現場には400人近い聴衆が詰めかけ、バスロータリーはたいへんな混雑を見せていた。この日、応援弁士として同党元代表の松田学氏、参院議員の梅村みずほ氏、経済評論家の三橋貴明氏ら論客が顔をそろえた。

 

 松田氏は「我々の先輩たちは『人種差別のない世界をつくりたい』と、大東亜戦争を戦った」と独自の歴史観を披露。また、梅村氏は「この国は日本人のための国なんですよ!」と叫び、喝采を浴びた。

 

 各党に与えられた1時間の演説時間が残り約10分となったところで、さや氏がマイクを握った。最初に「私の頭には三橋貴明先生の経済理論が、心には(元航空幕僚長の)田母神俊雄さんの魂が刻まれています」と表明。そして、「消費税を廃止すれば、7年で賃金がひとりあたり70万円以上、増加する」「アメリカに軍事依存せず、戦後80年たってもつくられていない自主憲法を制定すべき」などと訴えた。

 

 さや氏は最後に、「アンチの方を含めて日本人。それぞれが思っていることを言える国であり続けたい」と語ったが、それは筆者に対する態度と矛盾していないだろうか。

 

■経済評論家・三橋貴明氏による取材妨害

 

 演説を終えたさや氏に取材を試みようと、筆者は名刺を渡してあいさつし、「ひとことだけでも」と声をかけた。そして、さや氏が対応しようとした瞬間、そばにいた三橋氏が「ダメだと言ってるだろ! 質問禁止、NG、NG、NG!」と叫びながら筆者の前に立ちはだかり、胸で筆者を後退させた。

 

 筆者は「これは暴行罪です。国民の知る権利のために取材させてください」と訴えたが、さや氏は三橋氏を制止することなく、足早に次の目的地へと去っていった。

 

 その後、三橋氏は自身のXに、筆者を「クズブス女」と罵倒する投稿をおこなった(現在は削除)。さらにブログでは、筆者の取材を次のようにけなしている。こちらは7月16日現在、閲覧可能だ。

 

《グレー服ブス女が、さやさんに質問していた(もちろん、クズ質問)》

 

《俺は真の意味で男女平等主義者だから、男だろうが、女だろうが、クズ共には遠慮なく突っ込むよ》

 

《つっか、お前の「知る権利」なんて知るか! 俺が認めない。お前らクズが候補に近寄ってはならないという決まりは、三橋ルールだ。憲法より上の、決まりなんだよ。いい加減に理解しろ》

 

 編集部は、筆者への「取材妨害」について三橋氏に見解を尋ねたが、期日までに回答はなかった。さや氏をはじめ同党関係者は口々に「国民への愛」を語るが、国民の「知る権利」や「報道の自由」の尊重は「愛」に含まれないのだろうか。

 

取材・文/深月ユリア

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