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朝日新聞関係者が語った「森友文書」書き換え問題

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.03.12 16:00 最終更新日:2018.03.12 16:00

朝日新聞関係者が語った「森友文書」書き換え問題

 

 3月12日、財務省は「森友学園」への国有地売却の決裁文書に関し、調査結果を報告した。それによると、財務省などが途中で書き換えた文書は14あり、鴻池祥肇元防災相ら4人の政治家と安倍昭恵首相夫人の名前を削ったという。

 

 今回の問題を簡単に整理してみよう。最初に報道したのは3月2日付けの朝日新聞朝刊だった。

 

 森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書を、財務省は2017年2月9日に国会に提出している(図の文書2)のだが、決裁当時に作成された文書(文書1)と比べると、政府に都合よく書き換えられていることを朝日新聞が「確認」したという。

 

「本件の特殊性」など、国と森友学園との事前協議があったことを示唆する文言が文書1にあり、国会に提出した文書2では消され、隠蔽されていたというのだ。

 

 野党議員は3月5日、集団で近畿財務局に押しかけ、局員から「近畿財務局にあった文書原本のコピー」(文書 3)を入手。さらに、野党の要求をのんだ財務省は参院予算委理事会に「別の原本のコピー(文書4)」を提出した。

 

 だが結局、文書2と文書3は、官僚が読んでつけたチェックの跡があるかないかだけで同じ文面。文書3と文書4に至っては、チェックの跡までまったく同一の文書だった。

 

 問題の文書1の存在は、取材した朝日記者以外、誰も確認していない。政局混乱の大きな理由は、朝日新聞が肝心の「文書1」の写真を公開していないことだった。

 

 なぜ朝日は文書を公開しなかったのか。本誌は朝日新聞社に、文書の有無や公開の予定について問い合わせたが、「紙面で報じているとおりです」との答えだった。

 

 朝日新聞関係者は、声を潜めてこう話した。

 

「一般論だが、朝日が現物を公表しない理由は2つ考えられる。ひとつは、現物の文書の書き込みなどから、公表すれば情報源がわかってしまう場合。2つめは、入手した文書が捜査資料だった場合で、掲載すると記者が刑事訴追の対象になりかねない」

 

 3月9日、近畿財務局の男性職員が、兵庫県内の自宅で自殺。男性の直属上司が、森友学園との価格交渉を担っていた。同日夕には、用地売却の当時に国有地売買の責任者である理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が辞任した。

 

「ある政権幹部は『切る首があってよかったよ』とこぼしていた。だが、野党の狙いは麻生太郎財務相。財務省だけでなく、党内の安倍支持勢力の後見役を自任してきた。閣外へ去ることになれば、安倍首相が9月の総裁選を勝つことはできない」(政治部記者)

 

 政治の混乱はまだまだ続きそうだ。
(週刊FLASH 2018年3月27日・4月3日合併号)

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