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フィリピン邦人観光客射殺事件、近隣クラブ店員が明かす「現場の状況」…約2000万円で命を狙われた被害者の背中は“和彫りの刺青”

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記事投稿日:2025.08.24 14:40 最終更新日:2025.08.24 14:45
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
フィリピン邦人観光客射殺事件、近隣クラブ店員が明かす「現場の状況」…約2000万円で命を狙われた被害者の背中は“和彫りの刺青”

日本人男性2人を拳銃で殺害した疑いなどで逮捕されたフィリピン人の兄弟(写真・AP/アフロ)

 

「2人が射殺された現場は、フィリピンクラブが建ち並ぶ繁華街です。路上には、客引きをする女性が多く立っています。最初にパンパンと音がした段階では、何が起こっているかわかりませんでした」

 

 現地のクラブ関係者が、当日の状況をこう語る。8月15日の夜、フィリピンの首都マニラで日本人観光客のナカヤマ・アキノブさんとサトリ・ヒデアキさんが、拳銃で撃たれ死亡した。

 

「周辺の人がワーッと集まってきたので見に行ったら、男性2人が血だらけで横たわっていました。顔から流れ出た血で表情が判別できないほどで、地面には大きな血だまりができていました。誰かが『警察、警察』と呼んでいたので、その場にいた人が通報したのでしょう。現場は騒然としていました。フィリピンでは、救急車は自腹でお金を払わないといけないので、誰も率先して呼ぶことはありません。なので、警察が来るのを待っていました」(同前)

 

 この事件でフィリピン当局は、被害者らと行動をともにしていたとみられるツアーガイドのアベル・マナバット容疑者と、銃撃の実行犯2人のうちの1人である、アルバート・マナバット容疑者を逮捕した。2人は兄弟だという。別の現地関係者はこう話す。

 

「被害者の日本人2人は、現場にほど近いOというカジノに行っていたようです。タクシーを降りた瞬間、背後から来た容疑者が2人に対し躊躇なく拳銃を撃ちました。まわりにいた通行人は一斉に逃げ、同時に日本人2人を降ろしたタクシーもその場から走り去りました。その直後、もう1人の容疑者が倒れた被害者の持ち物を漁り、2人はバイクに乗って逃走したのです」

 

 現地では、これまでも拳銃を突きつけて脅す強盗は少なくなかった。しかし、実際に引き金が引かれることはほとんどなく、観光客が射殺されるのは異例だという。

 

「計画的な犯行ではないでしょうか。被害者の所持品を物色していた容疑者は今も逮捕されていません」(同前)

 

 フィリピン当局によると、事件の首謀者は日本在住の日本人で、頻繁にフィリピンを訪れており、アベル容疑者が運転手を務めていたという。被害者との間で金銭トラブルがあったため、この日本人首謀者が殺害を依頼。報酬は900万ペソ(約2300万円)といわれているが、実際には頭金の1万ペソ(約2万6000円)しか支払われていなかったという。

 

 2000万円あまりで命を狙われた被害者は何者なのだろうか。現地に詳しいジャーナリストが語る。

 

「当初、2人の被害者は『韓国人』もしくは『在日韓国人だ』という噂が飛び交っていました。というのも、被害者の1人の背中の刺青が、日本の絵柄らしくないと思われていたようなのです」

 

 

 被害者の“特徴的な背中”を見たことがあるという人物に話を聞いた。

 

「被害者の背中の刺青はたしかに特徴的なものでしたが、じつは和彫りです。空想上の動物のようなものが描かれ、その灰色の胴体から黄色の尻尾が生えていました。その霊獣の胴体には、紅白の花が描かれており、彫師の名前も刻まれていました」

 

 本誌は、名前が刻まれていた彫師に被害者について聞いたが、「記録を残していないのでなんとも言えない。先代の師匠が彫ったものかもしれないが、もう亡くなっている」と明言を避けた。

 

 繁華街で日本人が躊躇なく射殺された事件に、現地の日本人社会には不安が広がっている。

 

「これまでフィリピンでは、カジノを訪れる富裕層の中国人を襲撃する事件が頻発していました。しかし政権交代後、中国人客を締め出してしまったため、日本人や韓国人が標的となって強盗に遭うケースが増えました。今回の事件では、フィリピンの日本大使館も注意喚起の声明を出しています」(前出・ジャーナリスト)

 

 FNNの報道によると、「犯行グループは首謀者のほか、計画のまとめ役や下見役、見張り役など、少なくとも10人で構成されている」という。日本にいる首謀者の逮捕に至るのか。捜査の長期化が懸念されている。

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