社会・政治
石破首相、SP付き車4台でイージス艦衝突事故の被害者遺族慰問「女房はいい女」勝浦で“のろけまくり”の夏休み

2025年8月12日、中ノ谷夫妻と記念写真を撮影した石破首相と佳子夫人(写真提供・中ノ谷義敬さん)
「テレビで見る石破(茂)さんの顔は、本当に厳しくなっているね。でも、ここに来たときの顔は全然違うんだ。朗らかで、心からの笑顔。とくに今年は今まででいちばんよかったんじゃないかな」
そう語るのは、千葉県勝浦市で漁業を営む中ノ谷義敬さんだ(以下「 」内は同)。
2008年2月に千葉県房総沖で起きた、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突・沈没事故。犠牲になったのは清徳丸の船長・吉清治夫さん(当時58)と、その長男・哲大さん(同23)の2人だった。治夫さんのいとこで、事故の際も吉清さんと船団を組んでいたのが中ノ谷さんだった。
8月12日、石破首相は佳子夫人とともに勝浦を訪れ、犠牲となった2人を慰霊した。当時、石破首相は福田康夫内閣で防衛相だったことから、2008年に中ノ谷さんら遺族と面会して謝罪。以来17年もの間、夏に慰霊に訪れている。
この日、石破夫妻は遺族宅で焼香した後、近くの海岸に寄り手を合わせ、地元の寿司店で遺族らと会食をした。店では、刺身の盛り合わせや伊勢エビに舌鼓を打った石破夫妻だが、今回は例年とは違っていたという。
「毎年石破さんは、1人で電車に乗って来ていたんですよ。ばれないようにってサングラスをかけたりしてね(笑)。でも、今年はそうはいかない。総理だからSPもついてくるから車4台で来られた。
本当は毎年、漁港の近くでバーベキューをやるのですが、今年はやめて寿司店での会食にしたんです」
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事故当時、中ノ谷さんは海上自衛隊の対応に不信感を抱き、報道陣に怒りを露わにすることもあった。だが現在は、石破首相とは家族のようなつき合いが続いている。加えて今年は、17年ぶりに佳子夫人をともなっての訪問だった。
「佳子さんも来られて、『あのときはねえ』なんて、昔話に花が咲きました。石破さんは地元の鳥取だと『佳子のほうが人気がある』なんて言っていた。さらに上機嫌で『うちの女房はね、若いころはいい女だったんだよ』と何度も自慢していたよ(笑)。今回2人で来られて嬉しかったんだと思います」
この日は1時間ほど会食し、話が弾んだという。
「ここのところ、『石破おろし』なんてニュースでやってるけど、そんな政治の話はいっさい出なかった。石破さんを辞めさせようというやつがいたら、俺がぶん殴りたいね。何も偉ぶるところはないし、今回も心の底からの笑顔だったよ。
最後は、石破さんから『写真を撮ろうよ』って言ってくれて、皆で撮った。
こんな裏表のない心優しい石破さんに俺は惚れ込んだ。17年間も(コロナ禍の時期を除いて)毎年来るなんて、ほかの政治家にはできないでしょう。男が男に惚れ込むってこういうことなんだろうな」
石破首相の実質的な夏休みは8月12日からの3日間。勝浦には、そのつかの間の休暇を利用して訪れた。強力な援軍の前で、最愛の妻をのろけまくった最高の夏休みだったに違いない。