社会・政治
「コメ」失言の江藤拓氏が自民党の農政新組織トップに…「独断専行」小泉農水相に対抗の構えも疑問殺到

江藤拓衆院議員(写真・共同通信)
「まさか、まさかの人事で驚いています」
自民党議員秘書が唖然とするのは、8月26日に自民党が発表した「農業構造転換推進委員会」のトップ人事である。
「新設された組織です。コメ価格が高騰した『令和のコメ騒動』以来、自民党の農林族議員が会合を重ね、コメの増産を含めた抜本的な農業構造の転換を話し合ってきました。
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その結果、『新たな組織を作って舵取りをする』という方針が決定したのですが、そのトップにつくのが『コメは買ったことがない』の発言で、今年5月に農林水産大臣を事実上更迭された江藤拓衆院議員に決まったというのです。
確かに江藤氏は農林族議員のなかでも重鎮クラスなので、予算獲得などでは力を発揮するとは思います。しかし、備蓄米の放出では『競争入札』を採用して混乱させた経緯もありますから、国民感情としては『なんで、あの人が?』と疑問が浮かんでしまうのではないでしょうか」(政治担当記者)
Xにも
《ほんと自民党だな 嫌になる》
《農家も消費者も馬鹿にされている》
《固辞しないのが理解できない》
など憤怒のポストが殺到している。
自民党はなぜ、国民の反発をかってまでこの人事を行うのか。そこには小泉進次郎農林水産相の「独断専行」に対する危機感があるからだという。
「小泉氏は党内に根回しをせず、備蓄米の随意契約を決定しました。確かにコメの小売価格は劇的に下がりましたが、農家にすれば『銘柄米などコメ全体の価格も下がるのではないか』という不安心理があり、自民党は信用されていません。
そうしたことが影響して、7月の参院選挙で自民党は、東北や北陸など『コメどころ』の選挙区で落選や苦戦が目立ちました。
農林族議員のドン、森山裕幹事長を筆頭にベテランたちは、国民から悪者扱いされた上に、『このままでは自分たちの“票田”も危うくなってしまう』という危機感から、小泉氏に対抗する新組織を立ち上げ主導権を奪い返そうとしているのです。
もっとも、農林族議員はかつてのような党内影響力はなくなっていますが」
新組織は今月中にスタートするという。国民のための活動を期待したい。