
日本テレビ
騒動の発端は、高市早苗前経済安全保障相の一言だった。9月22日、自民総裁選立候補者の演説会が行われ、候補者の一人である高市氏は「奈良のシカをですよ、足で蹴り上げるとんでもない人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているもの、わざと痛めつけようとする人がいるんだとすれば、皆さん、何かが行き過ぎている、そう思われませんか」と訴えた。高市氏は奈良県出身である。
「その後、9月24日の日本記者クラブ主催立候補者討論会、9月28日のフジテレビ『日曜報道 THE PRIME』などで、『発言の根拠』を問われた高市氏は『自分なりに確認しました。多くの方が目撃もしていて、特に旅館の方ですとか、いつでも証言できると。そういったものの積み上げです』と説明しました。
しかし、9月29日の『news every.』(日本テレビ系)が奈良公園で外国人観光客、現地のガイド、飲食店経営者に取材した上で、『鹿を攻撃する観光客は見かけない』という証言を放送しました。これは高市氏の発言と食い違うものですが、SNSでは高市氏への《ネガティブキャンペーンだ》などの書き込みが殺到。騒動の余波は収束する気配が見えません」(社会部記者)
日本テレビも『news every.』HPで、《9月29日に放送した「奈良公園の鹿への暴力」に関するニュースは、取材で確認が取れた情報をお伝えしたものです。なお、取材にお答えいただいた方や無関係の方に対し、誹謗中傷や迷惑行為等を行うことは、厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます」》とコメントを発表した。
そして発言から約10日後の10月3日、元迷惑系ユーチューバーで奈良市議会議員のへずまりゅう氏がXに《【ご報告】 高市早苗さんは間違っていません。中国人が鹿さんに暴力を振るいました。子供に止められ本当に情けないです。頻繁に暴力行為が起きているので愛護会にはパトロール強化を願います》のコメントとともに男性が鹿を殴る4秒の動画を投稿。これがSNS上の炎上をさらに拡大させている。
へずま氏の投稿には、
《鹿に手をあげるんやろ。子供に止められるなんて恥ずかしい話》
といった意見や
《なんで中国人だって判るの?》
など投稿内容への疑問などがリプライされ、波紋は広がり続けている。
この騒動が10月4日の自民党総裁選投票にどのような影響を与えるのだろうか。