
高市早苗首相(写真・JMPA)
高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言に中国側が猛反発したことに対し、台湾が日本に加勢するという展開が繰り広げられている。
発端は11月7日の衆院予算員会において、立憲民主党の岡田克也元幹事長が高市首相に対し、台湾をめぐり、どのような状況が日本にとって「存立危機事態」にあたるのかと質問したことに始まる。
「存立危機事態」とは、同盟国に対する武力攻撃が日本の存立を脅かす事態のことで、そう判断した場合は自衛隊の出動が可能になる。
岡田氏の問いに高市氏は「戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースだ」などと答えた。
この高市答弁に、中国が猛反発を開始した。
政治担当記者が言う。
「中国の薛剣駐大阪総領事が8日、Xで高市首相の発言に対して《その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない》などと投稿したことで、騒動が一気に拡大しました。投稿はその後、削除されましたが、中国政府は14日、日本に強く抗議し、国民に日本への渡航を控えるよう呼びかけました。
さらに、2025年5月、福島第一原発の処理水海洋放出で止めた輸入再開手続きで、日本と合意していた37道府県の日本産水産物について、11月20日、再び輸入を事実上、停止するなど、日本への経済的な締めつけを始めました。高市首相は21日、日中関係について『戦略的な互恵関係の包括的推進という方向性に変わりはない』と述べましたが、中国外務省の毛寧報道局長は同日、記者会見で『戦略的互恵関係を発展させたいと思うなら、発言を撤回すべき』と主張しました。反発が収まる気配は、いまのところゼロです」
こうした状況のなかで、中国と緊張関係にある台湾が、日本に加勢し始めたのだ。
20日、台湾の頼清徳総統は自身のXに、日本語で《きょうの昼食はお寿司と味噌汁です #鹿児島県産のブリと北海道産のホタテ》と投稿。日本産の魚を使った寿司を食べる画像を公開した。
この投稿に対してXでは、
《ありがとうございます 台湾の皆さま、日本の美味しい水産物をこれからもたくさん召し上がってください》
《苦しい時に手を差し伸べてくださる台湾こそ真の友》
など、台湾に謝辞をつづる投稿が相次いだ。
また、21日に台湾当局は、福島第一原発事故後に導入した日本産食品の輸入規制を、同日付で撤廃したことを発表。
この一報にも対しても、Xでは
《台湾のこの判断、本当にありがたいね 長い信頼関係あってこその一歩だと思うし、改めて台日って心強いパートナーだなって感じる。》
《なんていいお国なの 来年こそ海外旅行行くと決めてたから台湾に行こう》
と、こちらにも台湾に感謝する声が相次いでいる。
前出の政治担当記者が言う。
「さらに、台湾の駐日大使に相当する台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表も『日本の農水産品を爆買いして、日本を応援しよう』という声明を発表しました。2021年3月、中国が台湾産のパイナップルの輸入を禁止した際に、安倍晋三前首相(当時)が同年4月28日、自身のXに台湾産パイナップルを手にして《今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう》と投稿するなど、台湾産パイナップルを安倍氏が宣伝してくれたことに謝意を示したそうです」
この「爆買い」の呼びかけに対しても、Xには日本人から《台湾の皆様、本当にありがとうございます》など、日本と台湾の友好関係に感謝する投稿が続いている。
南アフリカで開催されるG20サミット出席のため、21日に日本を出発した高市首相。自らの発言に端を発したこの騒動をどう収束させるのだろうか。
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