
左から鈴木俊一自民党幹事長、高市早苗首相、麻生太郎自民党副総裁(写真・長谷川 新)
衆院選が幕を開けた。この唐突な解散の裏には、「TM報告書」と呼ばれる、統一教会の極秘内部文書の存在があるのではないかとも言われてきた。
約3200ページに及ぶ報告書の中では、自民党と統一教会との深い関係がつまびらかに記載されているというのだ。高い支持率を誇った高市早苗首相の名前も、同報告書に32回登場している。さらに「高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願い」との記述もあるという。
安倍晋三元首相が山上徹也被告に銃殺されて以来、取りざたされてきた統一教会の根深い政権関与。報告書の存在によって追及を受ける可能性が浮上した高市首相が、それを避けるために解散をしたのではないか、という疑念もある。
「こうした報告書が出てきた以上、高市さんもしっかりと対応していく必要はあると思います」
こう語るのは、統一教会問題を長く取材してきた、ジャーナリストの鈴木エイト氏だ。鈴木氏は、統一教会、自民党、そしてこの総裁選をどう見ているのだろうか。
「この報告書の内容は、自分の取材内容ともかなり合致しています。むしろ私の得た情報で不完全だった部分が全部埋められていく状況です。当然、翻訳時の誤りであったり、多少誇張されている部分はあると思いますが、事実関係の間違いはほぼないんです」
ところが、この報告書をめぐって高市首相は一部内容を否定している。
1月26日の『news23』(TBS系)の党首討論に出演した高市首相。TM報告書をめぐってれいわ新選組の大石晃子共同代表から追及を受けると、「それ、名誉毀損になりますよ。出所不明の文書について」と反論したのだ。さらに報告書を「明らかに誤りです」とまで言い切った。
これにはMCの小川彩佳アナも、「そうなんですか?」と驚きを隠せない様子だったが、高市首相は「そうですよ」と自信満々に答えている。
「かつて日本統一教会の会長を務めた徳野英治氏も『自分が報告した内容が含まれている』と言っており、教団側も教団内部の資料だと認めている。全くの怪文書ということはあり得ません。高市さんからの関わりを示す記述はないですが、報告書に名前が出ている政治家とともに説明責任を果たすべきだと思います」
一方、高市首相にはもう一つ説明責任を果たすべき問題が浮上したようだ。「週刊文春」によれば、2019年の彼女の政治資金パーティで、統一教会の友好団体がパーティ券を購入していたというのだ。高市首相は2022年に、統一教会については「選挙応援無し。行事出席無し。金銭のやり取り無し」と断言していたが……。
この疑惑に対し、佐藤啓官房副長官は1月29日の記者会見で、コメントは差し控える旨を表明している。
ちなみに高市氏の側近ともいわれる佐藤氏は、安倍元首相銃撃のまさにその日に、統一教会の応援集会に招かれていたことも、「文春」報道で明らかになっている。
こうした統一教会をめぐるスキャンダルが選挙戦にどれだけ影響するのだろうか。鈴木氏は懐疑的だ。
「高市さんを支持している保守層は、『そんなの大したことじゃない』と片付けてしまうかもしれない。実際、自民党内では、統一教会問題はもう終わったこととする風潮もあります。
実際、今回の選挙には、統一教会問題への批判を回避する目的も、当然あるでしょうね。私は別に高市さんにネガキャンをしたいわけではなく、真相を究明したいだけなんです」
では、実際に高市氏と統一教会との関係はどのようなものだったのだろうか。鈴木氏によれば、統一教会が高市氏の周辺に接触してきたという証言があるという。
「地元関係者に聞くと、『教団関係者が頻繁にアプローチしてくる』と言っています。後援会などを含めて、高市さんと太いパイプを持ちたいのでしょう。
ところが、安倍さんが亡くなってからは、そうした動きを事務所関係者が徹底ガードしているようです。銃撃事件前にどの程度深くかかわっていたのかは、まだわかりません。
ただ、高市さんに近しい地方議員などは、みなそろって統一教会が大っ嫌いなんです。特に、統一教会の反日的な教義などには反感を持っています。そうした感覚は、高市さんの周囲にも共有されているのでしょう」
高市氏も統一教会に反感を持っていてもおかしくない事態なのだがーー。
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