プーチン圧勝に終わったロシアの大統領選。その直前に起きた元二重スパイ襲撃事件に、世界中が注目している。
ロシアには諜報機関が複数ある。襲撃事件に関与した可能性が指摘される、防諜活動をおこなうFSB。逆に国外から情報をとってくるのがSVRや軍直轄のGRUだ。
アメリカやイギリスにも同じ機能を持つ諜報機関があるが、たとえばSVRとCIAが、絶えず諜報戦をおこなっているわけではないという。
「現在では、各国の諜報機関が互いに得意な分野の情報を提供し、弱点を補い合うコリント(協力諜報)が主流になってきています」(元外交官、作家・佐藤優氏)
実際、2017年末には、プーチン大統領はトランプ米大統領との電話会談で、CIAの情報提供によってサンクトペテルブルクのテロを阻止できたと謝意を伝えている。
一方、蚊帳の外に置かれているのが日本。SVRやCIAにあたる国際情報機関がないため、協力諜報をしようにも提供する情報がない。情報が入手できないわけだ。竹内氏もこう語る。
「日本でも、国際情報機関の設置が必要です。内閣情報調査室と公安調査庁、国際テロ情報収集ユニットを統合、首相官邸の直属機関として、各国の大使館に外交官の身分で機関員を駐在させることから始めるべきでしょう」(作家、報道記者・竹内明氏)
日本も3月に陸上自衛隊情報学校を開設し、諜報のスペシャリストを養成していくことになった。国際諜報戦のために、あらゆる準備が必要なのだ。
(週刊FLASH 2018年4月10日号)