
西村博之
イラン情勢の悪化により、石油タンカーがホルムズ海峡を航行できなくなり、3月8日には原油先物価格1バレル=119ドルを突破するなど、世界の原油市場が混乱している。
「今後の『品薄』を見越した投機筋が動いて、価格が乱高下していますが、日本には特有の事情があります。
原油の買い付けはドル建てで決済されます。そのため、国内の元売り各社は円を売ってドルを調達する必要があります。原油価格が上がればより多くのドルが必要となるため、円が売られ、さらに円安になって原油の買い付けコストが上昇。小売価格に反映されることになります」(経済担当記者)
都内のガソリンスタンドでは、「レギュラーガソリン1リットルの店頭小売価格は、まもなく200円を突破、220円になるかもしれない」という声も聞かれる。
「それでも元売りからガソリンが入ってくるスタンドはいいほうです。『出荷分がない』と言われるスタンドも出てきていますから」(同)
こうしたことから、政府は3月16日にも民間備蓄15日分、その後に国家備蓄1カ月分を市場放出することを表明。
さらに、レギュラーガソリンの店頭小売価格を1リットル170円程度にするため、同額を超えたぶんの補助金を元売り各社に支給することも決定した。3月下旬には価格が下がると見られている。軽油や灯油、重油なども対象になる。
そうしたなか、実業家のひろゆきが3月12日、自身のXを更新。
《ホルムズ海峡からタンカーが日本に来るのには20日掛かる。ホルムズ海峡閉鎖で実際に原油が不足し始めるのは、3/21からのはず。現状のガソリン値上げは、便乗値上げじゃないの?》
と素朴な疑問を呈すると、X上には、
《備蓄分は安い時に買っているもののはずなのにね》
《完全に便乗じゃん 備蓄あるって言ってたのに即反映されるのおかしいよね》
など、賛同する声が続々と寄せられていた。
実際、ガソリンの小売価格はどのように決まるのだろうか。元売り大手のENEOSの担当者に聞いた。
「小売店へのガソリン卸価格は原油の『調達価格』に『精製コスト』などを上乗せして決定しておりますが、国際的な原油相場をリアルタイムに反映させていただいているため、以前に調達した原油ですが、(昨今の上昇相場で)卸価格は上がっております」
ドライバーから「ガソリン価格は、上がるのは早いが下がるのは遅い」と恨み節も聞こえてくる。
「ユーザーの皆さまは(ガソリン価格に対して)感度が敏感になられていると思われますが、価格は適時適切に決めておりますのでご理解ください」
とのことだった。中東情勢の早い沈静化を願いたい。
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