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人里に居ついた“アーバンベア”も急増中…専門家が警告「前年に人を襲って駆除されていないクマが、何頭もいる」

社会・政治 記事投稿日:2026.04.16 21:19 最終更新日:2026.04.16 21:20

人里に居ついた“アーバンベア”も急増中…専門家が警告「前年に人を襲って駆除されていないクマが、何頭もいる」

観光道路でヒグマと遭遇(画像提供:内田雄紀氏)

 

 環境省によると、2025年度(2025年4月~2026年3月)のクマの出没情報は5万359件。これまで最多だった2023年度(2万4348件)の倍以上となった。被害者数は238人で、うち13人が亡くなった。

 

 この“異常出没”に日本中が大騒ぎとなったが、2026年もすでに、クマの出没が相次いでいる。全国クマ出没マップ『クママップ』によると、4月16日現在、過去30日で766件のクマの目撃情報が寄せられている。

 

 福島県郡山市の市街地では、4月6日から8日にかけて体長1.5mのツキノワグマが出没。緊急銃猟により駆除された。4月12日には、新潟県長岡市でわなにかかっていた体長1mのメスのツキノワグマが見つかり、緊急銃猟で駆除されている。2025年、全国最多の67人が被害に遭い、4人が亡くなった秋田県では、目撃情報が前年比で3倍以上となっており、14日には県が発令している「ツキノワグマ出没注意報」を「警報」に切り替えた。

 

 2026年もクマの異常出没は続くのか?

 

「2025年は多くのクマが駆除されましたが、その子どもたちが大量に平野部に残っていると考えられます」

 

 50年以上にわたりクマの生態を調査してきた、日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長はそう語る。2025年度に駆除されたクマは1万4311頭。近年では最多だった2023年度の9099頭を大きく上回った。

 

「母グマを失った子グマは、そこで母グマを待つ習性があります。人がいる近くで冬を越し、山へは帰りません。山でのエサの取り方も知らず、母と荒らした地域に依存して暮らすことになります。前年に生まれた1歳の子グマはまだ小さく、危険性は低いですが、それが2歳、3歳となると、非常に危険になります。そうした“アーバンベア”が、どんどん増えている状況にあるのです」(以下、発言は米田所長)

 

 先日、郡山市で駆除されたクマも「山から下りてきたのではなく、成長したアーバンベアの可能性が高い」と、米田さんは言う。

 

 クマの出没と、エサとなるブナの実の豊作と凶作には関係性があることが知られており、豊作の翌年に大凶作になると、出没が多いとされている。2024年はブナが豊作で、2025年は大凶作だった。ブナは豊作と凶作を繰り返し、今年は豊作の可能性が高いとされる。であれば、2026年は出現が減るのだろうか?

 

「いや、いまはそんな単純な理屈では説明できないほど、事態が複雑化しています。先ほど言ったように、母を殺され、人里近くに居ついて成長したクマが、これまでの積み重ねでかつてないほど増えています。去年、あれだけ駆除したからもう出ないとか、ブナが豊作だから出ないとか、そういうことはもう言えない状況なんです。また、今年ブナが豊作であっても、それは秋以降の話です。クマの被害は例年、これからの時期、6月にかけて大きなピークを迎えるんです。それは、東北地方などで5月から6月にかけて、タケノコや山菜取りで山に入る人が多いからです」

 

 ちょうど、この春の時期は、クマが交尾期を迎え、緊張状態が高まっているという。そして米田所長が気にかけているのが、過去に人を襲ったことのあるクマの存在だ。

 

「前年に人を襲って、駆除されていないクマが何頭もいるんです。2025年10月、宮城県栗原市の栗原山でクマに襲われた女性が死亡し、もうひとりが行方不明になっていますが、そのクマはまだ駆除されていません。また岩手県北上市では2025年、3人が亡くなっていますが、1頭は駆除されたものの、ほかにも襲ったクマがいます。これら、人を襲って食べた経験のあるクマが、また人を襲うことは十分に考えられます。とくにそれらの事故が起きた場所に近い地域、およそ20km圏内の山の中に入るのは危険だと思います」

 

 人の味をおぼえたクマには、要注意だ。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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