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モスクワに黒煙! ウクライナの大規模ドローン攻撃で“逆転”にプーチン大統領「核使用やむなし」主張の可能性

社会・政治 記事投稿日:2026.06.27 17:05 最終更新日:2026.06.27 18:24

モスクワに黒煙! ウクライナの大規模ドローン攻撃で“逆転”にプーチン大統領「核使用やむなし」主張の可能性

追い詰められたプーチン大統領(写真・共同通信)

 

 初夏のモスクワは、“黒煙”に包まれていた――。6月16日と18日、ウクライナによる大規模ドローン攻撃により、モスクワ郊外の石油精製施設が炎上したのだ。

 

「ウクライナによる長距離ドローン攻撃が活発化しています。18日以外にも、25日夜には化学工場が攻撃の対象となりました。これまで、戦争を身近に感じていなかったロシア国民にとって衝撃的です。特に石油関連施設への攻撃の影響は大きく、一般市民へのガソリン販売が止まった地域も出てきています」(海外担当記者)

 

 こうした動きを受けて、欧米メディアでは、これまで防戦一方だったウクライナ戦争の“節目が変わった”と報じられている。実際、ロシアが「不利になりつつある」と指摘するのは、元時事通信外信部長で拓殖大学海外事情研究所客員教授の名越健郎氏だ。

 

「もっとも大きなポイントは、ドローン戦でウクライナが有利になったことです。もともとウクライナはIT人材が豊富で、30万人くらいいるとされています。こうした人材をドローン開発・運用に投入しており、ウクライナ国内だけで300近いドローンの生産企業があるんです。

 

 2025年には約450万機が生産され、2026年には700万機が生産される計画です。ドローンの技術も進歩しており、赤外線ドローンやAI搭載ドローンが開発されました。これまで小型の短距離ドローンと大型の長距離ドローンだけだったのが、現在は30~500kmを飛ぶ中距離ドローンも開発されています。こうした中距離ドローンが1日平均で200機以上発射され、ロシア国内をあちこち攻撃しているようです」

 

 とはいえ、どれほどドローン戦で勝利を収めようと“前線”は簡単に動かないという。

 

「ドローンのおかげで、相手の攻撃を止めたり、遅らせたりすることには成功しています。だから、ウクライナ軍はロシア軍に比べてとくに犠牲者数が少ない。しかし、地上部隊を使った反転攻勢をしかけようとすると、やはりかなりの犠牲が出るでしょう。ロシア軍は陣地戦が得意なだけに、塹壕のある防御線を突破するのは大変です。

 

 むしろ、ウクライナの狙いは、都市部への攻撃により、ロシア国民の厭戦気分を高めることでしょう。戦線そのものは膠着したままです」

 

 実際、ロシア国内ではプーチン大統領への“圧力”が高まりつつあるという。

 

「9月20日、ロシアで5年に1回の下院議員選挙があります。これは、開戦以来初の議会選挙になりますが、野党第一党の共産党は『このままでは国家が滅亡する』と、プーチン氏を手厳しく批判しています。戦争が長期化するなか、ガソリン価格が高騰し、生活苦が広がっています。しかも、当然、ドローンが頭上にやってくるわけですからね。

 

 ロシアの独立系メディアの情報では、プーチン氏が譲歩して、新しい停戦条件を決めたという話もあります。その内容は『いまロシアが支配している領域で停戦し、支配地域を法的にロシア領にする』というもの。ロシアはこれまで、ドンパス地方全域の制圧を目標としてきたのですが、まだ占領できていないドネツク州の2割については支配をあきらめたということになります。一定の譲歩ということになります」

 

 だが、停戦には大きな反動もともなう。プーチン大統領がもっとも恐れるのが“ウクライナ・シンドローム”だ。

 

「停戦となれば、戦場で戦っている約70万人の兵士がロシア全土に帰還するわけです。となれば、膨大な犠牲者を出した“戦争の実態”が、口コミで明らかになるでしょう。また、適切なケアを受けられないまま前線から帰国した場合、PTSDを抱え、社会復帰できずに犯罪や暴力、薬物依存に走る可能性があります。1979~1989年のアフガニスタン侵攻ではこれが社会問題となり、“アフガン・シンドローム”といわれてソ連崩壊の誘因になりました。当然、プーチン氏は停戦後に“ウクライナ・シンドローム”が起きることを分かっているでしょうし、恐れているでしょう」

 

 ドローンの影響で進軍はできないが、簡単には停戦できない――。その結果、プーチン大統領が“最悪の選択肢”を選ぶ可能性もある。筑波大学名誉教授・中村逸郎氏はこう語る。

 

「本来であれば、ロシアがウクライナからドローン攻撃を受けるというのは、自国の防空網が弱いということを露呈する“恥”です。ところが、ロシアの政府系メディアは、こうした“被害”をどんどん報じているんです。

 

 なぜ報道規制を敷かないのかといえば、プーチン氏は『ロシアが追い詰められている』と演出したいからです。追い詰められているのであれば『戦術核の使用もやむなし』と主張できるでしょう」

 

 すでに核を搭載するためのミサイルは、キーウ攻撃に使用されている。

 

「オレシュニクという、プーチンの肝いりで開発された新型ミサイルです。最高速度がマッハ10を超えるもので、ウクライナによる撃墜は非常に難しいでしょう。プーチン氏からすれば、すでにモスクワが攻撃されている以上、いまは互いの“首都攻防戦”なのであり、キーウに戦略核を使うのも問題ない、という主張です。ロシアが不利になればなるほど、この危険が迫っているのは間違いありません」

 

 平和的解決まで、まだまだ道のりは遠い――。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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