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もし6月解散総選挙があったら「自民党大勝」265議席
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.05.30 08:00 最終更新日:2018.05.30 08:26
「不信任案が提出されれば、衆院を解散するのも内閣の一つの選択肢だ」
4月、自民党の森山?国会対策委員長は報道陣に、そう言い放った。森友・加計問題の再燃で、野党側が内閣不信任案提出を検討し、それに応じる形の発言。永田町には、一気に「6月解散」という風が吹き始めた。
野党が攻勢を強めるさなかの解散総選挙。しかしこれこそが、安倍晋三首相の “逆転の一手” だというのだ。
2017年10月の総選挙の得票数をもとに、選挙プランナーの松田馨氏監修のもと取材した結果、自民は現有議席を減らすが、わずか19議席減。265議席との予測が明らかになった。ある自民党関係者はこう語る。
「首相の悲願は憲法改正。このまま火種を抱えて総裁三選を果たしても、憲法改正発議に国民からの理解は得られない。野党が内閣不信任案を出せば、6月下旬の国会閉会を待たずして、首相は解散する可能性が高い。勝てば国民の信を得たとして、森友・加計問題にケリがつく」
265議席は、国会で主導権を握れる絶対安定多数の261議席を超える大勝。公明、維新の議席を足せば、憲法改正発議に必要な3分の2は維持できる。松田氏はその理由についてこう話す。
「いまの内閣支持率は前回総選挙と同水準で、自民党の政党支持率は上がっている。野党は疑惑追及を支持に繋げられず、批判票を集められていない」
選挙の日付について、松田氏は6月26日が公示日となる可能性を指摘する。
「選挙は、大安か友引の日を投開票日に設定することが多い。公示日は6月26日、投開票日は7月8日でしょう。このころには米朝首脳会談が終わり、拉致問題などの進展も見られるはず。ボーナスの支給時期で、好調な経済を背景に、政権批判は収まります」(松田氏)
自民党のベテランで、東京17区の平沢勝栄氏は、選挙に強い一人といわれる。解散の可能性について聞くと、「私は“常在戦場”と思っていますから、いつ選挙があってもかまわない。選挙をやった翌日から、選挙は始まっているんです」と話す。
そこで、「6月解散」での注目選挙区を松田氏に解説してもらった。やはり、選挙になると圧倒的な強さを発揮するお馴染みの候補が目につく。
「神奈川11区の小泉進次郎氏は、前回の総選挙期間中に1日半しか地元入りしなかったものの、約15万票を得て当選。本人は得票率が8割に届かなかったことを悔やんでいたぐらいです。福井1区の稲田朋美氏も圧勝でした。防衛相を辞任しても、選挙で落選することはなかった」(松田氏)
ただ、前回の選挙前後に騒動を起こした与党議員は、足元が揺らいでいる。
「秋田2区の金田勝年氏は法相在任時、テロ等準備罪の審議で『私の頭脳では対応できない』と答弁するなど、野党に猛追及されましたが、前回はかろうじて当選。金田氏は、野党が統一候補を擁立すれば厳しい戦いになる。
加計学園問題で、『内部告発者は守秘義務違反』と発言して物議を醸した神奈川16区の義家弘介氏、長靴を持たずに台風の被災地を視察、職員におんぶされた長野2区の務台俊介氏も次回は厳しいかもしれません。
東京8区の石原伸晃氏、東京3区の石原宏高氏らも、小池百合子東京都知事との対立がいまだに尾を引き、都内の自民支持率は回復していません。前回の総選挙で、野党各党の候補者の得票数を足すと、自民候補の得票数を上回る選挙区は多い。
野党と一騎討ちになった場合、失言や不祥事は、すぐに落選に繋がってしまうわけです。
野党議員も同じで、愛知7区の山尾志桜里氏(立憲)は前回、不倫疑惑の逆風をはねのけ、僅差で当選。ただ、以降も不倫疑惑報道が続き、女性支持層が離れた。次回は落選する可能性が高い」(松田氏)
仮に自民党が大きく議席を減らすとしたら、それは共産党を含めた「野党共闘」が実現したときだ。
国民民主党の設立を主導した玉木雄一郎衆議院議員は、同党が中心となり、野党統一候補の擁立を目指すという。
「これまでのようにバラバラだと、いつまでたっても政権交代ができないことを野党は自覚すべきです。現状、野党陣営内では “受かる力” ではなく互いを “落とす力” が働いてしまっているんです。
野党候補の一人化を図り、一対一の一騎討ちにして自民と互角に戦えるようにする。野党議員には、現時点での解散に及び腰の議員が少なくない。理念や政策の違いを明確にし、速やかに野党連携ができる環境を整備するため、この党を設立したのです」
だが、野党共闘実現の可能性は低いままだ。自民党幹部はこう明かす。
「与党は、次期衆院選での野党共闘はできないとみている。野党議員にも、“共産党アレルギー” は大きい。わが党が大きく議席を減らす可能性は低い。30議席程度の減少なら、誰も首相の総裁三選に文句を言わないだろう」
首相が笑う姿が見えてくる。“安倍一強” はまだ続く。
(週刊FLASH 2018年5月22日号)