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外務省OB「佐藤優」と財務省OB「山口真由」が語る官僚の生態

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.07.03 06:00 最終更新日:2018.07.03 06:00

外務省OB「佐藤優」と財務省OB「山口真由」が語る官僚の生態

 

 外務省財務省のOBだから語れるーー官僚は劣化したのか? 佐藤優山口真由が「官僚の生態」を明かす!

 

ーー相次ぐ不祥事で官僚の権威が失墜している。佐藤氏が、その最大の “功労者” と名指しするのが、セクハラ発言で辞任した福田淳一前財務事務次官だ。

 

 

佐藤「手、縛っていい?」とか「おっぱい触っていい?」 とか、こんなハレンチな発言が全国紙の一面に出たのは、たぶん、明治以来、初めてのことです。

 福田さんは新たな歴史を作ったわけですよ。しかも、これで佐川(宣寿前国税庁長官)さんの文書改竄問題が、吹き飛んでしまった。結局、安倍(晋三)総理は9月の総裁選で三選されるでしょう。安倍さんは内心、「福田さん、よくやってくれた」と思っているんじゃないですか。

 

山口「財務省、でかした」って?(笑) たしかにハレンチ発言は、インパクトが大きいしわかりやすいから、メディアも飛びついたんでしょうけど、結局は福田さん個人の話じゃないですか。文書改竄は組織の話ですから、財務省にとっては、そっちのほうが影響が大きいと思います。

 

佐藤 福田さんや佐川さんと仕事したことはありますか?

 

山口 直接の上下関係はありませんが、佐川さんは主税局で一緒でした。

 

佐藤 どんな人ですか?

 

山口 佐川さんは、怖い上司として知られていましたね。たぶん、福田さんとは全然違うと思いますよ。

 

佐藤 福田さんは「省エネ型」の官僚だと思うんです。財務省によくいるタイプ。とくにやりたい政策がないのに上昇志向だけはある。そして政治家と絶対に喧嘩しない。これが「省エネ型」です。

 

ーー「官僚の中の官僚」といわれる財務官僚。そのトップに君臨した福田氏の人間像は、官僚の生態を知るうえで参考になるという。

 

佐藤 バカな部下がいても、福田さんは「いいよ、いいよ」ってべつに指導もしない。で、できる奴だけに仕事を与える。

 

山口 佐川さん型と福田さん型があるとすると、部下にガーッと指示する佐川さん型の上司が多かったですけどね。

 

佐藤 その意味では、福田さんは例外かもしれない。彼のような官僚が生き残るのは、政治がガタガタするときです。そういう官僚は政治に過剰に関与しないから傷も負わない。

 

山口 ああ、なるほど。

 

佐藤 福田さんの腹の中は、こんな感じだと思うんですよ。財務官僚のうんこから厚労官僚が生まれ、厚労官僚のうんこから防衛官僚が生まれ、防衛官僚のうんこから政治家が生まれるぐらいに思っている。
 そんな政治家なんか相手にする必要はないと。だから、逆にへらへらして、政治家に何を言われても平気なんです。

 

山口 ふふっ。財務官僚にはプライドの高い人が多いのは確かだと思います。

 

佐藤 外務省は逆で、政治家にすり寄る。外務事務次官から駐米大使になった杉山晋輔氏なんかその典型で、徹底的にゴマをすり、政治にすり寄って生きてきた人物です。

 

山口 財務省では政治家をランクづけしていますね。「話を聞く価値がある」政治家と、税調の小委員会に出てくるくらいの政治家を明確に区別しています。

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