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空自初の女性戦闘機パイロット誕生で危惧される「法の不整備」

社会・政治 投稿日:2018.08.30 06:00FLASH編集部

空自初の女性戦闘機パイロット誕生で危惧される「法の不整備」

F-15(写真・航空自衛隊)

 

 1954年の自衛隊発足以来、初めてとなる女性戦闘機パイロットが誕生した。わが国はもとより、世界各国で大きく報道されている。

 

 とはいえ、海外の受け止め方は「女性が家庭に押し込められていた状況がようやく変わり始めた」といった感じである。

 

 

 主役は横浜出身の松島美紗2等空尉。防衛大学校を4年前に卒業した26歳だ。当初は自衛隊の輸送機パイロットを目指して訓練を受けていた。

 

 しかし、防衛省が2015年11月、戦闘機の操縦を女性に開放する方針を示したことを受け、志願。なにせ、小学生の頃に観た映画『トップ・ガン』に啓発され、「将来は戦闘機乗りになる」と決意した強者である。

 

 宮崎県新田原(にゅうたばる)基地での記者会見に臨んだ彼女は「一日も早く男性と変わらない一人前のパイロットになりたい」と抱負を語った。

 

 今後は、F15戦闘機に乗り、主に九州、中国、四国地方の領空侵犯に対処する任務に就くという。なかなか厳しい任務が待っているに違いない。

 

 なにしろ、昨年だけで、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した回数は904回に達する。国別では中国機への対応が500回で最多。次がロシア機対応で390回であった。

 

 尖閣諸島周辺では中国海警局公船の上空を飛ぶ小型無人機「ドローン」による領空侵犯も確認されるなど新手の脅威も増している。

 

 松島パイロットの活躍を期待したいが、現実は難題山積だ。なぜなら、日本の法律では領空侵犯機を退去させ、あるいは強制着陸させるために武器を使用できないからだ。

 

 戦時でない限り、無線による警告を発するのが精一杯である。これでは日本の領空を守るのは難しい。相手も「自衛隊機は攻撃してこないはず」と高を括っているから、やりたい放題である。

 

 年間1000回近いスクランブルを重ねる航空自衛隊であるが、そうした緊急発進のために24時間アラート待機を余儀なくされている。これでは戦闘訓練に費やす時間は削られる一方である。最新鋭のF15もスクランブル対応だけではもったいない。

 

 実は、松島パイロットの大先輩が命拾いをしたことがある。それは1987年のこと。当時は冷戦下であり、ソ連軍機による度重なる日本の領空侵犯が繰り返されていた。

 

 そこで、男気あふれるパイロットが、自衛隊の創設以来初めてとなる警告射撃を行った。信号弾を発射し、我が物顔のソ連機をようやく追い返した。

 

 アメリカのレーガン大統領からは「悪の帝国の侵犯機を追い払った勇気を称える」との感謝のメッセージが届いたが、武器使用が正当防衛や緊急避難に限られる以上、こちらが撃墜される可能性が非常に高い。あれから30年以上経っても、自衛隊のパイロットが直面する課題は解消されていないのだ。

 

 女性パイロットを生かすも殺すも、領空侵犯機が退去命令や強制着陸に従わない場合には「撃墜」という選択肢も与えるよう、自衛隊法の改正を行うことが先決と思われる。そうした覚悟と意思表示があって初めて「抑止力」が機能するのである。
(国際政治経済学者 浜田和幸)

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