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逮捕された田母神俊雄「自衛隊トップ」から転落の軌跡

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.04.14 15:07 最終更新日:2016.04.14 15:31

逮捕された田母神俊雄「自衛隊トップ」から転落の軌跡 

 

「本日、田母神は逮捕されるようです。何とも理不尽さを感じますが、国家権力にはかないません。暫く発信できなくなります」

 

 2016年4月14日の朝9時、元航空幕僚長・田母神俊雄氏(67)がツイッターで発信し、その後、実際に逮捕された。 

 

 容疑は、2014年2月の東京都知事選に立候補した際、複数の運動員らに現金を配ったという公職選挙法違反(運動員買収)である。

 

 田母神氏といえば、「日本は核武装が必要」「憲法9条は改正すべき」などと強烈な主張を続けた元空自のトップ。  

 

 いったい、田母神氏とはどのような人物なのか。自らの経歴を、かつて本誌のインタビュー(2009年1月27日号)で語っている。

 

「高校は福島県で4校ある進学校のひとつ安積高校に通っていました。理科系でしたので将来は技術者になろうかなと思っていたら、親戚に陸上自衛隊の3佐の叔父がいまして、立派な人だと評判だったことから父親が『防衛大に行け』と。自衛隊に悪い印象もなかったので『じゃあ、行こうかな』と、2年生のときに決めちゃったんです」

 

 横須賀にある防衛大学の寮生活は厳しかった。ラッパが鳴って朝起きると、3分以内に毛布、シーツを畳んで外に整列しなければならない。だが、畳み方が雑だと、重いマットごと窓から放り出され、それを拾って、もう一度最初からやり直しさせられた。

 

 しかし、それなりに「楽しい思い出」もあったと本人が語る。

 

「週末には横須賀の街や、東京に出かけられるんです。そのときは女子大生と遊ぶこともありましたよ(笑)。特定の人ですか? 私はまぁ、いました(笑)。相手との連絡は当直室の電話を使うんですが、あまり頻繁にかかってくると『なんだ、アイツは』となって上級生に睨まれたりしちゃうんです。苦労しましたよ(笑)」

 

 ちなみに夫人とはお見合い結婚だった。27歳のとき、半年で4回お見合いをして、3回めの相手だった女性と結婚している。

 

 防衛大の電気科を卒業後、航空自衛隊に入隊。希望の戦闘機パイロットにはなれず、地対空ミサイルなどを運用する『高射運用』で活躍した。

 

 当時、自衛隊で出世した秘密をこう語っていた。

 

「まず仕事でそれなりの実績を上げる。そして皆さんに愛していただく。敵を作らない配慮はしていました。でも私はストレートに言うからトゲがある。それをユーモアで和らげるようにしていました。

 昔から笑ってもらうのは大好きで、学生のころは渋谷の演芸場で牧伸二さんの『あ~ああ、やんなっちゃった』を見て勉強していたんです」

 

 その後、「日本は侵略国家ではなかった」とする論文を公表したことで、当時の麻生政権から解任される。

 

 ところが、退職後、マスコミの寵児となり、講演料やテレビ出演料、印税などで年収は1億円とも噂されるほどに。空幕長時代の年収は2300万円だから、その成功ぶりは際立っていた。

 

 そして、その人気を武器に東京都知事選に立候補。だが、空自のトップは、東京都のトップにはなれず、ついに逮捕されてしまった。

 

 田母神氏の人生は、どこで転落が始まったのか。

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