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男子禁制!イラクの「女性ゲリラキャンプ」にカメラが入った

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.12.07 16:00 最終更新日:2018.12.07 22:28

男子禁制!イラクの「女性ゲリラキャンプ」にカメラが入った

18歳のベリタ

 

 イラク北部の「男子禁制」の地に女性カメラマンが足を踏み入れたーー。

 

 PKK(クルディスタン労働者党)がキャンプを張るのは、イラク北部の国境地帯。トルコと武装闘争を繰り広げ、欧米からテロ組織と認定されている。

 

 

 だが、2014年にはクルド人居住地域で600の部隊を動員し、「イスラム国」と戦っている。テロ組織の暮らしとは、女性戦闘員たちの素顔とは――。

 

「戦う相手はトルコ政府だけではない。同胞が困っていたら手を貸す。それがPKKだ」

 

 ある女性兵士はこう話す。クルド人国家の樹立を掲げ、トルコ政府及び同国治安部隊からの解放を求め、彼女らは戦う。しかし、理由はそれだけではない。トルコ、シリアをはじめ、中東の各国にまたがり生活するクルド人には、民族差別など迫害の歴史がある。

 

 クルド人の大半がイスラム教徒であるため、PKKのキャンプ地は女性と男性で分けられている。女性である私は、カメラを片手にPKKの女性ゲリラキャンプへと向かった。男性ジャーナリストが入ることのできない地で見た光景は、「テロ組織」というイメージとはかけ離れたものだった。

 

 山奥で暮らすゲリラは日の出とともに起床し、日の入りとともに眠る。山から流れる水を飲み、食料は畑で野菜を育て、主食のパンは自分たちで作る自給自足の生活だ。

 

 そんな彼女たちも女性である。髪の毛を伸ばし、おしゃれをする。私の髪も毎朝ブラッシングしてくれ、きれいに三つ編みにしてくれた。その一方で、彼女たちの瞳には強い意志と覚悟が感じられた。けっして人殺しの目などではない。

 

「戦争はよくないよね」と平和な国に住む私たちは口にするが、戦争とはなんなのか。彼女たちの覚悟ある澄んだ瞳に、なんのために戦うのかを考えさせられる。

 

●18歳のベリタ(冒頭の写真)
 トルコ出身のクルド人。彼女は15歳でPKKに入隊した。山が大好きな彼女は、差し込む夕日が美しい、 お気に入りの丘に連れていってくれた

 

28歳のピロウズ


 28歳のピロウズはベリタと同じくトルコ出身のクルド人だ。自分たちで作ったテントで、武器とともに生活を送る。トルコ政府との戦いで左足を負傷したため、今は治療中だ。

 

トルコ南東部のジズレ


 ジズレという街は、トルコ政府による掃討作戦で被害に遭った。PKKにはジズレ出身者が多数おり、支持者が多いこの土地は戦場に。大勢の市民が犠牲となった。

 

イラク北部の難民キャンプ


 イラク北部の難民キャンプには、殉職した兵士たちの遺影が飾られていた。その前に立つ男性は、殉職した同胞と家族の遺影を見に来ていた。彼もまた昔、PKKの戦闘員だった。


写真・文/ラペリン雅

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