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「高齢の親が交通事故」そのとき保険はどうなるの
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.06.01 06:00 最終更新日:2019.06.01 09:42
最近では、月額数百円で、高齢ドライバーの運転を見守るサービスを提供する、損保会社が出てきている。
「最新のドライブレコーダーを設置し、子供のスマートフォンと連携。親が高速道路逆走などの危険運転をしたときに、家族にメールで知らせたり、定期的に運転レポートを送信してくれるものがあります。親に運転卒業を促す指標として利用できるかもしれません」(清水氏、以下同)
2008年、神戸市で小学5年生の少年が自転車を運転中に、62歳の女性と正面衝突。重い後遺障害を負わせた。少年の母親が監督義務を怠ったとされ、裁判で母親に約9520万円の賠償命令が下った。
「同じことが、認知症の両親が自転車事故を起こした場合に、起こりえます。警察庁の調査では、自転車で重大事故を起こした65歳以上の高齢者の約6割が、損害賠償責任保険に加入していなかった」
そこに備えるのが、個人賠償責任保険だ。これは日常生活上の偶然の事故で損害賠償責任を負った場合、賠償金などを補償する保険(自動車事故には適用されない)。認知症の親と同居している場合に、監督義務のある子供が負う賠償も補償される。
自動車保険や火災保険の特約のほか、クレジットカード会員向けの保険もある。
「最近は個人賠償責任保険で、同居していない監督義務者までカバーする保険会社が増えました。自動車保険、火災保険の特約でつければ、月に数百円で加入できます。
補償の上限額、保険料(年間2000円程度が一般的)、被保険者の範囲、示談交渉を代行するサービスの有無などをチェックして、一世帯にひとつ、必ず加入しておくべき保険です。
日常的に車を運転しない高齢者の方でも、個人賠償責任保険に加入していないと、自転車事故をカバーできません。もっとも優先順位の高い保険といえます」
車がないと不便な地域に、年老いた親が住んでいるケースは多い。
「まずは、お盆や年末に帰省した際、親の保険証券をチェックし、補償内容を共有しておきましょう」
続発する事故はけっして他人事ではない。以下では、高齢者の運転を見守るサービスを提供している、損保を紹介する。
【高齢者を見守る「運転診断保険」】
●保険商品名:「ドライブエージェントパーソナル」
・保険会社:東京海上日動
・特約保険料:月額650円
・特徴:
(1)衝撃時に自動で事故受付センターに連絡、ドライブレコーダー映像を記録・送信
(2)運転時リアルタイムに注意喚起
(3)安全運転診断レポートを作成
●商品名:「THEクルマの保険 DRIVING! 加入型」
・保険会社:損保ジャパン日本興亜
・特約保険料:月額850円
・特徴:
(1)事故発生時、原則30分以内にALSOKが駆けつけ
(2)ドラレコが車間距離を検知、接近時にアラート音でお知らせ
●商品名:「GK見守る クルマの保険(ドラレコ型)」
・保険会社:三井住友海上
・特約保険料:月額850円
・特徴:
(1)一定以上の衝撃時に自動通報
(2)高速道路逆走、車線逸脱時などに通知する安全運転支援アラート
●商品名:「タフ・見守る クルマの保険(ドラレコ型)」
・保険会社:あいおいニッセイ同和損保
・特約保険料:月額850円
・特徴:
(1)事前に設定したエリアを超えた場合、GPS機能で家族に通知
(2)運転診断レポートを毎月配信
●商品名:「ソニー損保の自動車保険 『やさしい運転キャッシュバック』型」
・保険会社:ソニー損保
・特約保険料:従来型の基本保険料プラス7%
・特徴:
(1)アクセル・ブレーキの使用状況に応じてキャッシュバック
(2)急ブレーキ、急発進時にはアラームで通知
(週刊FLASH 2019年6月11日号)