社会・政治
農水事務次官に殺された長男「ひきこもり」前夜の苦悩
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.06.11 06:00 最終更新日:2019.06.11 08:14
「事件後に、彼のツイッターを見て驚いた。中学時代の振舞いそのままだったからだ」
6月1日、元農水事務次官・熊澤英昭容疑者(76)に殺害された、長男・英一郎さんの同級生は、そう学生時代を振り返った。母校は、名門・駒場東邦中学校・高等学校だ。
「父親は、『中学2年生からひきこもっていた』と言うが、そうは感じない。中学の修学旅行など、行事を含め学校には普通に出席していたし、高校でも学園内でたびたび見かけていた。
【関連記事:息子殺害で逮捕の元農水次官、BSEで批判されるも退職金8874万円】
彼は中学生当時から、アニメや漫画が好きで、オタクグループに所属していた。グループ内で気の弱そうなやつには、『俺のおやじは、農林水産省ですごく偉いんだぞ』とさんざん自慢する一方で、運動部系の強そうなやつにはペコペコしていて、クラスではかなり浮いていた」
孤立していた英一郎さん。苦悩の矛先は両親に向かった。
「中学2年のころから始まった家庭内暴力は、最初は母親に向けられ、やがて父親も暴力を受けるようになった」(社会部記者)
2017年、42歳のころにも、ツイッターに《中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の快感は今でも覚えている》と投稿している。
傲慢ぶりが、授業中に垣間見えたことがある。前出の同級生談。
「英語のテストで、空欄で出してバツをつけられた答案用紙に、後から正解を書き加え、『採点ミスだ』と教師に訴えていた。すぐにズルがバレて、ひどく怒られ、まわりは白い眼で見ていた」
中学卒業のころから成績が落ちはじめた英一郎さんは、名門校を卒業するも、結局定職には就かずに、アニメやゲームの世界にのめり込んでいく。
親の援助下のひきこもり生活の末、事件が起こったのは、実家に戻った10日ほど後のこと。熊澤容疑者が、行政機関などに相談した形跡はなかったという。
(週刊FLASH 2019年6月25日号)