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不動産王トランプ氏に対抗するための「負け犬」の一手社会・政治 投稿日:2016.04.25 15:44

不動産王トランプ氏に対抗するための「負け犬」の一手

公式ツイッターより

 

 大阪観光大学観光学研究所客員研究員の濱田浩一郎氏が、アメリカ大統領選で爆走するトランプ氏について、その人となりを解説する。

 


 

 

 2016年のアメリカ大統領選挙は、波乱に続く波乱である。それは、この男――大金持ちの不動産王ドナルド・トランプ氏(1946~。共和党から出馬)の人気と、彼の発言に起因する。

 

「もしアメリカが攻撃されても日本にはアメリカを守る義務はない。これは不公平だ。もっと日本に負担させよ」と、日米同盟の根幹に触れる言葉を口にしたと思えば、「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止しろ」「(麻薬や犯罪を持ち込む)メキシコとの国境に万里の長城をつくれ」など、野放図で人種差別的発言を繰り返す。

 

 メディアも、彼のそうした発言ばかりを取り上げるので、「単なる目立ちたがり屋の言いたい放題おじさん」「反知性的で感情的人物」とのイメージが一般に定着している。

 

 しかし、それでも人気は衰えない。オバマ政権下で所得格差が広まり、人々の不満が充満していることも人気の理由だろうが、トランプ氏は本当に単なる変わり者なのだろうか?

 

 トランプ氏は1987年に『トランプ――取り引きの技巧』と題した自伝を出版している。

 

 その本の中で、「マスコミはいつも記事に飢えており、センセーショナルな話ほど受ける。批判的な記事でさえも、ビジネスでは大いに役立つこともある」として、マスコミに取り上げられるメリットを大いに語っている。

 

 だとすれば、トランプ氏は、かなり意図的に暴言を繰り出していると判断するべきだろう。

 

 じつは、自伝にはイメージと異なる「ちょっといい話」がいくつも書かれている。

 

 かつて、ミセス・ヒルという婦人が、先祖代々の農場を人手に渡すまいとして奮闘している様子がニュースで流れたときのことだ。

 

 トランプ氏は彼女を助けたいと思い、農場の抵当権者である銀行に電話した。 「農場を競売に出すことは止められない」という副頭取に対し、「強行するなら、私は個人的にあなたとあなたの銀行を、殺人罪で告訴します」とトランプ氏は迫った。

 

 ミセス・ヒルの夫は、この騒動で数週間前に自殺していた。剣幕に恐れをなした副頭取は「うまい措置を講じますからご安心ください」と急転換。その後、寄付金も集まり、事態はまるく解決したのだという。

 

「強硬な態度をとるとそれなりの効果があるものだ」とトランプ氏は言う。彼のイメージ通りの戦法だが、意外に人情味があることもわかる。

 

 また強気一辺倒かと思いきや、「ときには投資を思いとどまることも利益につながる」「私は消極的な考え方をよしとする。商売ではきわめて慎重なほうだ」とも述べており、機を見るに敏であり、かつ、身を引くことも弁えている。

 

 大きな獲物を奪うために、とりあえず押して押して押しまくるが、ダメなときは、小さな獲物でも我慢する。

 

 自伝から分かることは、メディアで叫ばれているような単なる変人ではないこと。さすがは、生き馬の目を抜く不動産市場で、巨万の富を得た男である。

 

 私は、トランプ氏は『ドラえもん』に出てくるジャイアンのような人物なのではないかと感じている。米国大統領になれば、日本にとっては手ごわい相手になるだろうが、その戦法や性根を理解すれば、案外、くみしやすい相手かもしれない。

 

 自伝にはビジネスで勝つための多くの教えが書かれているが、とくに「水に落ちた犬は打つ」ことが重要ともいっている。

 

 ジャイアンは負け犬ののび太には容赦しないが、いったん反撃すれば、そこで攻撃は収まることも多い。日米関係は親分―子分の関係で語られやすいが、子分だって、ここぞというときは逆襲することが重要なのだ。

 


 

(著者略歴)

濱田浩一郎(はまだ・こういちろう)

 1983年生まれ、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本史に学ぶリストラ回避術』『現代日本を操った黒幕たち』ほか多数

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