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京アニ放火殺傷犯「幼稚園では天使みたいだったのに」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.07.23 06:00 最終更新日:2019.07.23 06:00
「踏んだらあかん! それ皮膚や!」
現場にいたカメラマンから、本誌記者に声が飛んだ。足元に目を向けると、10センチ大の餃子のようなものが落ちている。
「犯人の足の裏から火傷で剝がれた皮膚ではないか」(捜査関係者)
大雨が降っていたが、道路上の白線には、現場から避難した人の血痕と思しき赤色の足跡がはっきりと残っていた。
7月18日、京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオが爆発とともに炎に包まれた。7月19日現在、亡くなったのは34人。京都府警が放火殺人事件として捜査を進めているほか、19日には安倍晋三首相が捜査の徹底を指示した。
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友人が同社に勤めているというアニメ関係者は、本誌の取材に気丈にこう語った。
「友人とは、まだ連絡がつきません。この時間まで返信がないということは……。覚悟はしています」
「京アニ」といえば、日本のアニメ業界を牽引し、世界的にも高い評価を得てきたアニメ制作会社。『けいおん!』『涼宮ハルヒ』シリーズなど、多くのヒット作を生んできた。日本大学藝術学部の津堅信之講師はこう解説する。
「独創性は唯一無二。京アニの代わりとなるスタジオはありません。徹底的に『手描き』にこだわり、キャラクターのダイナミックな動きだけではなく、体のわずかな動きで微妙な感情を表現できる高い技術力を持っています。海外のファンも少なくありません」
そんな「日本の宝」を焼き尽くした最低男の名は、青葉真司容疑者(41)。身柄を確保された直後、「小説を盗まれたから、ガソリンで火をつけた」などと警察に話したという。
青葉容疑者は全身に火傷を負い、道路の上に倒れ込んでいたところを確保された。目撃者の女性はこう話す。
「短髪で、身長は180cmくらい。Tシャツがめくれていて、お腹に刺青が入っていました。ところどころ皮膚が剝がれていた。火事で溶けた建物の塗料を浴びたせいなのか、顔が青銅色になっていました」
青葉容疑者が抱えていた、理不尽な憎悪の原点はどこにあるのだろうか。容疑者と同じ、埼玉県内の幼稚園に通っていた女性は、「幼稚園では、天使みたいな子だったのに……」と驚きを隠さなかった。