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香港デモで市民が震える「ジャッキー・チェンの呪い」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.09.26 06:00 最終更新日:2019.09.26 13:08
「地下鉄は破壊され、火炎瓶が飛び交って……香港はもうめちゃくちゃ。それもこれもジャッキーのせいだ。もう引退してくれ!」(香港市民)
9月4日に香港のキャリー・ラム行政長官が、デモ隊の5大要求のひとつ、「逃亡犯条例の改正案の完全撤回」を表明。これでデモは収束かと思いきや……。
「デモ隊と香港警察の衝突は激しくなる一方。市民の嘆きの声も増えています」
こう語るのは、現地在住のジャーナリスト・初田宗久氏だ。
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冒頭の画像は、警官隊の催涙弾に対抗するため、雨傘を持ち、ガスマスクをつけるデモ隊の様子だ。一部の過激派による、投石や落書きも問題視されている。一方、デモ隊への強引で高圧的な警官隊の接し方も、事態の激化を招く原因のひとつに。
「最近はデモのテーマソングが急速に拡散され、『これぞ真の香港国歌だ!』と、市民のボルテージはますます上がっています」(初田氏、以下同)
しかし、それが「ジャッキーのせい」とは、どういうことなのか。ジャッキー・チェン(65)は、香港が生んだ正真正銘の世界的な映画スター。だが、彼には長年噂されてきた、“呪い” があるという。
「彼が応援したり、広告塔を務めたりする対象が、ことごとく不幸な結末を迎えるというものです」
まるで、名前が書かれた人間を死なせることができるノートがテーマの漫画『デスノート』のよう。
「たとえば、1998年に新発売された清涼飲料水の『フェンファンコーラ』です。ジャッキーを広告塔に起用し、20億円以上という莫大な広告費を投じたのに、数年後に会社が業績不振に。
また、中華圏を中心に展開するフィットネスクラブ『California Fitness』は、2005年に彼を広告起用したところ、2008年に経営不振で閉店。さらに、2008年に彼を起用したヘルスケアブランドの『霸王』は2010年、シャンプーなど数種類から発ガン性物質が検出されました。
そして『思念餃子」は、彼を起用した後、2011年に商品から黄色ブドウ球菌が検出されて、中国全土で回収騒ぎになりました」
実例の多さゆえに、昔から囁かれてきた「ジャッキーの呪い」。ここにきて注目を集めるようになったのは、香港デモへの影響だ。
「ジャッキーがテレビ局のインタビューで、『どうか早く香港に安定がもたらされるように』とコメントしたら、その後、事態は最高レベルに悪化。
彼がキャンペーンに登場した香港航空のCEОが、フェイスブックで警察支持を表明し、大炎上する騒ぎも起きています」
こじつけのような理由で、ジャッキーが批判されるのには、わけがある。ジャーナリストの安田峰俊氏が指摘する。
「香港のタレントは、人口が桁違いに多い中国本土で稼ぐために、香港政府や中国共産党を批判しないからです」
初田氏も同じ意見だ。
「8月に、彼はデモ隊の破壊行為を批判。『私は中国国旗を守る旗手』とSNSで発言したため、デモ支持派のネットユーザーから、“人間のクズ” とこき下ろされています」
8月に米『フォーブス』誌が発表した、「世界で最も稼いだ俳優」ランキングでは、62億円で5位にランクイン。「中国本土にこびを売る姿勢」は、ビジネス的には正しそうだ。
だが、ジャッキーの “呪い” のためか、デモはのっぴきならない状態にきている。
「焦点は、中国の建国記念日である10月1日の『国慶節』です。毎年開催されていたビクトリア湾の花火大会も、激しいデモが懸念され、安全を考慮して中止となりました」(初田氏)
最近、市民の間ではあることが囁かれているという。
「ジャッキーがもっと政府を応援すれば、デモが勝てるかもしれない……」
(週刊FLASH 2019年10月8日号)