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共産党「収入の8割」を支える機関誌「赤旗」の儲け力
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.06.01 14:00 最終更新日:2016.06.01 14:00
「しんぶん赤旗」編集局は、東京・代々木の日本共産党本部ビル隣の8階建てビル内にある。ビルの3階までは赤旗を印刷するあかつき印刷があり、その上が編集局だ。赤旗を仕切る小木曽陽司編集局長はこう語る。
「機関紙ですから国会、選挙など党のあらゆる活動の中心になる媒体であり、党員が読んで学習するという役割がある。と同時に国民共同の新聞としての位置づけもある。16ページのなかに文化、芸能記事なども幅広く入れ込み、日刊紙は赤旗1紙を購読すれば間に合うような紙面作りを心がけています」
北は北海道、南は沖縄まで全国に9つの総・支局があり、海外の取材網は北京、ハノイ、カイロ、パリに各1人、ワシントンD.C.に2人の特派員を配置。
党中央委員会に所属する編集局の記者は約300人、各都道府県委員会所属の記者50人と合わせて350人態勢。記者は全員党員で、給与は党本部から払われる。
気になるのは発行部数。昨年の第26回党大会で公表した数字は日刊紙と日曜版合わせて124万1000部となっている。
「現在の内訳は日刊紙20万部、日曜版100万部です。そのくらいで推移しています。『週刊文春』が約70万部ですから、日曜版は週刊としては日本最大の部数になります。
ただ、1980年のピーク時は日刊紙が50万から60万部あり、合わせて355万部でしたから、ずいぶん減っています。
2011年9月から日刊紙の購読料を月2900円から3400円(消費税率アップにより現在は3497円)に値上げしたのは、日刊紙の赤字が原因。日曜版が支えている状態でしたから、できるだけ独立採算で発行するために値上げに踏み切った。
なんとか読者に支えてもらい、値上げによる部数減はあまりなかったです」(小木曽局長)
「赤旗」の発行部数はとても重要だ。「赤旗がなければ、党の活動はできない」と小木曽局長も言うように、その売り上げが党の最大の資金源だからだ。
日本共産党は政党助成金を受け取っていないため、おもな資金源は機関紙発行事業と党員が納める党費(実収入の1%)、個人からの寄付などである。
2013年の党の収入約235億円のうち、機関紙の収入が約195億円と、じつに83%も占めており、まさに命綱。
「機関紙発行事業は収入の83%、支出の60%でその差額が党の活動資金になる。共産党は200億円も収入があって凄いと言われますが、実収入ではなく7割くらい差し引いた金額が資金になるわけで、そんなに多くはないのです」
2001年時は、総収入に占める機関紙収入の割合が68%だったことを見ても、現在はますます党の赤旗依存度が高まっていることがわかる。
「購読は義務ではないのですが、党員には日刊紙を読もうと呼びかけてはいます。私たちは『タブーなき真実を伝える』をモットーに、国民が主人公の政治を実現すべく記事を作成しています。今国民を苦しめている政治悪にズバズバ斬り込んでいくことが赤旗のいちばんの使命かなと思っています」
(週刊FLASH 2015年11月3日号)