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追いつめられた菅義偉「“岸田首相”を阻止せよ!」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.02 06:00 最終更新日:2020.02.02 06:00

追いつめられた菅義偉「“岸田首相”を阻止せよ!」

1月23日、安倍首相と麻生副総理に視線を送る菅長官

 

「安倍総理は、菅さんの定例会見を補佐官らとモニターで見ながら、『そうじゃないだろ』とつぶやくそうなんです」

 

 こう明かすのは、菅義偉官房長官(71)に近い、自民党中堅議員だ。

 

「令和おじさん」として一躍、“ポスト安倍” 候補の筆頭に躍り出た菅氏だが、政権内での評価が急落中だ。その理由は、側近閣僚の辞任や、「桜を見る会」をめぐる官房長官会見で、精彩を欠いているため。前出・中堅議員は菅氏をこう擁護する。

 

 

「記者の追及に、菅さんが立ち往生するようになったが、『桜を見る会』招待者名簿にある “首相枠” の中身についての質問なんて、総理しか答えられない。菅さんにしたら、どう答えていいかわからないのでは……」

 

 安倍晋三首相(65)にとって、菅氏の台頭は脅威だ。

 

「内政に徹してきた菅長官が、2019年5月に訪米したのが、ターニングポイントでした。以来、安倍総理や今井尚哉・総理秘書官兼補佐官ら側近が、“菅に野心あり” と警戒を続けているんです」(官邸関係者)

 

 両者に隙間風が吹くなか、安倍首相による、岸田文雄政調会長(62)への、“禅譲” という流れが強まっている。

 

「安倍首相は衆院を解散せず、東京五輪を花道に、2020年9月で辞任。両院議員総会で、岸田氏を選出する流れです。安倍首相は、“キングメーカー” として、政権に影響力を残すことを狙っています」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏)

 

 つまるところ菅氏は、現在放送中のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀と同じく、忠義を尽くしてきた主君・安倍首相に冷遇されるばかりか、“ポスト安倍” 候補をめぐって、岸田氏の後塵を拝する危機に、追い込まれているというわけだ。

 

 この状況に、菅氏が「モノども、敵は首相官邸にあり!」と言わんばかりに、乾坤一擲の反撃に出ると囁かれている。

 

「岸田派(宏池会)を分裂させ、政局を一気に流動化させるのが、菅さんが胸に秘めた戦略だ。

 

 岸田派はいまだに、古賀誠名誉会長が実質的なオーナー。だが岸田さんは、古賀さんの運輸利権を守る気がなく、古賀さんの不興を買っている。そこに菅さんがつけ込んで、『古賀さんを慕う岸田派議員と運輸利権の面倒を見る』と約束し、古賀さんに接近したんだ。

 

 古賀さんは、いまでこそ岸田支持を表明しているが、“寝業師” の古賀さんが、総裁選までこのままとは思えない」(自民党幹部)

 

「宏池会」(46人)を、安倍首相の出身派閥「清和会」(97人)と、麻生太郎副総理兼財務相が率いる「志公会」(56人)で支えれば、“岸田首相” は決定的となる。だが、宏池会が割れれば話は変わってくる。

 

 さらに麻生派には、総裁選出馬に意欲を燃やす河野太郎防衛相もおり、菅氏の切り崩しの手が迫っている。

 

「麻生派内には、『河野が総裁選に出馬するなら、俺は派閥を抜ける』と公言する議員もいます」(前出・角谷氏) 

 

 菅氏は、「長年、河野氏の後見人を自任しており、結束が緩い麻生派に手を突っ込みかねない」(政治部記者)という。

 

 安倍政権の終焉が見えてきた永田町は、戦国時代を迎えているようだ。


(週刊FLASH 2020年2月11日号)

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