社会・政治
千葉市の葬儀会社「別人の遺体」を火葬した!
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.02.11 06:00 最終更新日:2020.02.11 06:00
“このご遺体、誰ですか”
愛する家族と最後のお別れをしようとしたそのとき、棺には別人の亡骸が――。
あってはならない事態が起きたのは、1月14日。千葉県の大手葬儀社「R社」の葬祭場で、2体の遺体を取り違え、火葬してしまう事故が発生した。R社の関係者が明かす。
【関連記事:中森明菜、急逝した妹・明穂の葬儀に姿を見せず…父は悲嘆】
「同時期に亡くなられたお2人のうち、孤独死したAさんには火葬のみで葬儀をおこなわない『直葬』が、Bさんには葬儀を1日かけておこなう『1日葬』が予定されていました。
ところが当日、Aさんを荼毘に付すとき、職員が手違いで、Bさんを霊安室から運び出し、山武郡市広域斎場で火葬してしまったのです。
その後、Bさんの葬儀を準備するなかで、霊安室に安置されているはずのBさんの遺体がなく、すでに火葬されているはずのAさんの遺体が残されていたことで、事故が発覚したといいます」
事情があったのか、当日、Aさんの遺族が、顔を確認しなかった不幸も重なった。
「Aさんは糖尿病により、生前、片足を切断していました。お骨上げの際、Aさんのご遺族から『なぜ足のお骨が2本ぶんあるんだ』と、声が上がったそうですが、まさか“取り違え”があったとは思わず、Aさんのお骨と信じて、Bさんのお骨を拾ったそうです」(同前)
なぜ事故が起きてしまったのか。R社の元従業員が語る。
「取り違え事故は、いずれかが直葬か、身元不明であるケースで起こりやすい。だが、R社の棺の蓋には、故人の顔が見える窓があり、名札もつけられていたはずで、普通なら絶対に間違わない。
R社は利益を重視して、現場は常に人手不足だった。従業員に、肉体的にも精神的にも負担がかかるなかで、このような確認ミスが起きたのでしょう」
事故から約1カ月がたち、Aさんの遺体はあらためて火葬されたという。だが、最後のお別れができなかったBさん遺族の悔恨は、計り知れない。
R社に、事故の原因や補償問題について問い合わせると、こう返答を寄せた。
「両ご喪家様に多大なご迷惑をおかけしたことは事実でありますが、本件に関わる情報開示を、いっさい控えさせていただきます」
このままでは故人も浮かばれまい――。
(週刊FLASH 2020年2月25日号)