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五輪開催に黄色信号「新型コロナウイルスは湿度に強い」説が登場
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.03.01 06:00 最終更新日:2020.03.09 12:31
2月27日、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が緊急電話会見を開き、東京五輪について言及した。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、初めてこの問題に触れたバッハ会長。延期や中止については、「推測や仮定の話には答えない」とし、「我々IOCのスタンスは、7月24日に開幕する東京五輪の成功に向け、全力で準備をおこなっているということだ」と、前向きな展望を語った。
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その一方、3月26日に福島県でおこなわれる聖火リレー出発の記念式典は、規模を縮小する方向だという。2月28日の記者会見で、橋本聖子五輪担当相は「慎重に検討していると聞いている。復興五輪・パラリンピックは最大の柱。東北の方々に受け入れてもらえるよう、最大限の注意を払って準備していく」と話した。
開催是非の判断は5月下旬とされる。その頃までに、新型コロナウイルスの感染は収まっていると考えたいが、そうもいかない可能性が指摘されている。新型コロナウイルスは高い湿度に耐性があるとの研究結果が、ハーバード大から発表されているのだ。
ハーバード院卒の医学博士、左門新氏がこう語る。
「今回の新型コロナウイルスに関して、湿気が増えていく初夏には収束するという意見があります。実際、これまでのインフルエンザやSARSなどのコロナウイルスは、冬から春にかけて流行し、初夏には収束していくのが通例でしたから。
しかし、先日、ハーバード大から出された研究では、『湿度および気温と感染力に関係がない』との結論が出されています。
中国各地のほか、タイ、シンガポール、日本、韓国の湿度と、ウイルス感染者の発生数を照らし合わせたところ、湿度や気温の高い地域でも感染力は弱まらず、多少の増加傾向さえ見られたのです。
湿度や温度だけで感染症の推測をするのは乱暴ですし、そもそも学術雑誌に掲載される前段階の報告ですが、一つの参考データにはなるでしょう」
仮に研究結果が正しかった場合、梅雨に向け、ウイルスが自然に収束していくシナリオは描けなくなる。2月24日の専門家会議で「これからの1~2週間が感染拡大の瀬戸際」と発表されたが、場合によっては、抑え込みが失敗することもあるのだ。
今後、感染が拡大し、五輪が中止される可能性も想定しておくべきかもしれない。